【ロードサービス活用事例】スタッフの「今」を把握して、訪問依頼に即時対応
リアルタイム情報を活用した急な配送・訪問依頼への対応ノウハウ
予定外の配送・訪問依頼に対応するには、車両やスタッフの現在位置や業務状況を把握する必要があります。リアルタイム位置情報・稼働状況を把握し、急な依頼に即時に対応するためのCariot活用術をご紹介します。
無料でダウンロードこんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
車を運転する機会のある方なら、バッテリー上がりやガス欠、キーの閉じ込みなどのトラブルに見舞われたことがあるのではないでしょうか。このようなトラブル時に頼りになるのが現場に駆け付けて対応してくれるロードサービスです。
その一方で、ロードサービスを展開する会社は、通常のサービスと違って緊急の駆け付けが前提となる特性上、サービススタッフの人員配置や位置情報の把握、作業指示などが煩雑になりがちです。特に「どのスタッフが現場に近いのか」、「そのスタッフは今稼働できるのか」といった「今」の情報を管理者側が把握できないと、顧客の期待するレベルでのサービス品質を担保できません。
今回は、首都圏を中心にロードサービスを展開されているU社様の事例を元に、急な駆け付け依頼に迅速に対応するためにCariotをどのように活用できるのかをご紹介します。
業種:ロードサービス
車両用途:フィールドサービス車両
課題:車両の現在地とスタッフ稼働状況の把握
1.Cariot導入の経緯
1-1.ロードサービス事業立ち上げにおける障壁
U社様は自社の契約顧客向けのサービス拡充の一環として、ロードサービス事業を立ち上げることになりました。もともと顧客からの要望が多く、一定のニーズは見込めると考えた同社は、運用フローの検証のために一部の地域に限定したテストマーケティングを実施しました。実際にテスト運用を開始すると、顧客からの駆け付け依頼に対応する中で、運用体制上の課題が浮き彫りになってきました。
運用における一番の課題は、一度外出してしまったサービススタッフの稼働状況や位置情報を把握することができないことです。顧客から対応依頼の電話を受けた受付担当者は、ロードサービス専任である各スタッフに対応可否と現在地の確認ができないと、お客様に対応可否や到着時間の回答をすることができません。
テストマーケティングの限られた依頼数であれば、サービススタッフ一人ひとりに電話確認を入れる余裕がありますが、正式サービスとして全エリアで提供開始した場合は、コールセンターがパンクしてしまう恐れがあります。
1-2.事業化には動態管理システムが必要不可欠
テストマーケティングを通じて、事業として適正なサービスレベルを担保するにはサービススタッフの「今」、リアルタイムの位置情報・稼働状況を把握する必要があると判断した同社は、動態管理システムを導入することにしました。
当初はGPSを活用して位置情報だけを確認できるアプリケーションの導入を検討しましたが、顧客に満足してもらえるサービス品質を実現するには位置情報の取得だけでは不十分であると考え、位置情報の取得・稼働状況の確認・走行実績の蓄積まで対応できるCariotの導入を決定しました。
- 車両位置情報の更新が3秒に1回とリアルタイム性が高い
- サービススタッフの稼働状況をリアルタイムで確認ができる
- 業務実績や走行データの蓄積・分析にも対応
2.導入時の課題と達成したいこと
2-1.受付対応フローの効率化が急務
U社様のテストマーケティングでは、顧客からの対応依頼が入ってから現場に向かうサービススタッフの割り当てと作業指示をするまでに平均30分がかかっていました。正式サービスとして提供を開始するには、このリードタイムを短縮する必要がありました。
さらに深刻な問題が、受付担当者の負荷です。サービス開始時点では専用窓口を設けず、各種お問い合わせ対応を行っているお客様相談センターのオペレーターがロードサービスの一次受付からサービススタッフのアサインと作業依頼までを担当することになります。
ロードサービス依頼以外の電話にも対応しつつ、駆け付け依頼に迅速に対応できる運用を整える必要がありました。
- スタッフの位置情報と稼働状況の確認のための電話に忙殺される
- 依頼受付から作業アサインまでのリードタイムが長い
- ロードサービス対応によりコールセンターの業務に支障を来すリスクがある
2-2.サービススタッフの「今」を把握するためのCariotの機能
サービススタッフのリアルタイム位置情報や稼働状況の確認を電話連絡に頼ることなく、スムーズな依頼対応を実現するために、同社はCariotの以下の機能を活用しました。
・DriveCast
車両のリアルタイム位置情報を地図上で確認することができます。
急な駆け付け依頼があった場合でも、訪問先に近い車両をすぐに把握することができるため、稼働中のスタッフに電話で位置情報を確認する必要がなくなります。
駆け付け先までの到着予測時間を検索することもでき、依頼先からの問い合わせに迅速に回答することができます。
DriveCastで発行したURLにアクセスすると、地図上で各車両の位置情報や現状の業務ステータスを確認することができます。Cariot管理者ライセンスがなくてもこのURLにアクセスすることができるので、同社のようにコールセンターの各スタッフが位置情報を確認できる体制を整えるのに最適です。
同社ではコールセンターの執務室内の大型モニターにDriveCastを表示することで、スタッフがいつでも車両の位置情報を確認できる環境を整えました。
・DriveCast Search
DriveCastの機能のひとつで、車両やドライバーを絞り込んで位置情報や到着時間を確認することができます。
対応エリアや車両が多い場合でも、担当エリアでマップ上に表示する車両を絞り込むことで、訪問先エリアの担当者が今どこにいて、何をしているのかをすぐに確認できます。
・業務ステータス(Cariotモバイルアプリ限定機能)
現場で対応するスタッフが「今、何をしているのか」という現在のステータスを登録することで、受付担当者はどのスタッフが今すぐ対応できるのかを判断することができるデータを取得することができます。
業務ステータス情報はDriveCast上にも反映されるので、急な依頼に対応できそうなスタッフを絞り込むことが可能です。
3.Cariot導入の効果
3-1.依頼受付から作業指示までのリードタイムが大幅短縮
Cariotの導入によって、U社様のロードサービス受付業務は飛躍的に効率化されました。
導入前は対応依頼を受けたコールセンタースタッフがサービススタッフ一人ひとりに電話で対応可否を確認していました。導入後はコールセンタースタッフがCariotのDriveCastを開いて、訪問先に近いサービススタッフと各人の業務ステータスを確認し、対応をアサインするスタッフを決定できるようになりました。
コールセンター側がリアルタイムでスタッフの現在位置と稼働状況を把握できるようになったことで、テストマーケティング当時は1件の対応依頼作業を完了するまでに平均30分かかっていたところを、平均5分まで短縮できるようになりました。
3-2.取得した実績データから人員配置の効率化も
Cariotの活用により効率的な対応フローを確立した上で正式サービスを開始できたことで、同社のロードサービス事業は顧客からの評価も高く、安定した収益を獲得できるまで成長しました。
現在、同社ではCariotで取得したスタッフの業務実績や走行データを元に、対応依頼の多いエリアや時期などの傾向を分析しています。分析結果をもとにサービススタッフの適正人員や配置の最適化を行い、さらなる生産性向上の実現に向けた取り組みを開始しています。最適化の第一歩として、ロードサービスの受付専任チームを作るために、1日の依頼件数から配置すべき人数の検討材料としてCariotの取得データを活用いただいています。
4.今後の展望
4-1.サービススタッフとのコミュニケーション効率化
ロードサービスの駆け付け依頼から担当サービススタッフの割り当てまでの業務の効率化を実現できたU社様ですが、今後はコールセンターからサービススタッフへの作業依頼の効率化にも取り組みたいと考えています。
現在は、サービススタッフにはメールやチャットツールなどで訪問先や作業内容を連絡していますが、Cariotの「メッセージ機能※」の活用で、スタッフの検索から対応依頼までをCariotで完結できないかトライアルを開始しています。
※メッセージ機能とは
管理者とドライバー間でメッセージのやり取りができる機能。ドライバーの運転を阻害することなくコミュニケーションが取れるようになります。(Cariotモバイルアプリ限定機能)
4-2.Cariot活用による稼働実態の把握で生産性向上
Cariotでは、車両やスタッフの現在位置や稼働状況が確認できることに加えて、走行実績や業務実績などの取得データを蓄積・分析する機能も備えています。
車両ごとスタッフごとの稼働実態を把握することで、限られた人員・時間で対応できる依頼件数を最大化した取り組みを以下の事例で紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
【メンテナンスサービス活用事例】非稼働車両の有効活用で売上拡大を実現
https://www.cariot.jp/blog/2021/01/07/minicase_part11/
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