車両管理規程とは?作成のポイントと作成メリットについて徹底解説

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「車両管理とは」という基礎知識から社用車事故を防ぐ安全運転のポイントまでを解説しています。これから車両管理をはじめる方や、もっと効率的な管理体制を整えたいご担当者におすすめの資料です。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

社有車を保持するということは、台数を把握する、管理台帳を作る、安全運転に気をつけるだけでなく、さまざまな責任が発生します。
今回は社有車を保持するために、どのようなルールを定める必要があるのか、そしてそれは何故必要なのかを解説します。

 

1.車両管理規程とは

車両管理規程とは従業員が業務中に使う社用車に関して、その従業員が所属する企業が定めるルールのことを指します。
ドライバーが業務遂行中に交通事故を起こしてしまった場合、企業は損害賠償責任を負うことがあり、その責任の所在と賠償の範囲で揉めることのないよう、事前に車両管理規程を作成して社用車の運用ルールを決めておくことが重要です。

1-1.使用者等の責任(民法第715条)

車両管理規程を決める際には、まずは使用者責任について理解しておく必要があります。
使用者責任とは雇用した従業員が業務中の不法行為により第三者に損害を与えた場合に、雇用主がその損害賠償責任を負う制度のことを指します。

従業員が業務として車両を運転した際に、急なハンドル操作により歩行者と接触してけがを負わせてしまった場合、当該の従業員が歩行者に損害賠償責任を負うのに加え、企業も使用者責任として損害賠償責任を負うことになります。

1-2.安全運転管理者の選任

道路交通法(道交法)は、道路上の危険を防ぎ、交通の安全と円滑化、さらに交通による障害の防止を目的とする警察庁管轄の法律です。
2022年には道路交通法施行規則が改正され、安全運転管理者にアルコールチェックの義務が加わるなど、規制が一層厳しくなっています。

また、スマートフォンを操作しながら運転する「ながら運転」のような違反では、免許停止や懲役刑といった厳しい処分を受ける可能性もあります。
従業員が法律の規程を誤解し、「違反とは知らなかった」という事態を防ぐためには、車両管理規程を策定し、運用ルールを具体的かつ明確にすることが不可欠です。これにより、道路交通法違反を未然に防ぐことができます。

 

2.車両管理規程の対象になる車両

車両管理規程の対象となるのは、社用車に限らず、業務で使用するマイカー、レンタカー、さらには自転車も含まれます。これにより、移動手段の種類を問わず、安全管理を統一的に実施することができます。
それぞれの車両について、具体的に見ていきましょう。

2-1.社用車

通常、社用車は所有形態にかかわらず、企業が業務で使用するすべての車両が対象に含まれます。
車両管理規程には、社用車を業務以外で使用しないことや、万が一事故が発生した場合の対応手順を明確に記載することが重要です。

さらに、企業が使用する車両の運転者を適切に管理し、それぞれの責任を明らかにしておく必要があります。そのためには、車両管理台帳を作成し、事故対応、定期的な整備点検、修理に関する具体的なルールを明示しておくと良いでしょう。

2-2.マイカー

マイカーの使用はトラブルの原因になりやすいため、原則として禁止することが望ましいです。禁止する場合は、その方針を車両管理規程に明確に記載しましょう。
もし従業員が通勤や業務で自分の車を使用する場合、事故発生時に企業が責任を負うリスクが高まる可能性があります。

こうしたリスクを回避するためには、マイカーの利用に関する詳細なルールを車両管理規程に記載することが重要です。
例えば、以下のような内容を事前に取り決めておくと効果的です。

  • 使用頻度
  • 使用範囲
  • 使用時間
  • 使用条件

さらに、マイカーで事故が発生した際の賠償責任や会社としての対応についても明確にしておく必要があります。特に、通勤中の事故が労災と認定される場合もあるため、リスクを最小限に抑える取り組みが重要です。
その一環として、従業員が任意保険に加入しているかを事前に確認し、保険証券の写しを会社に提出するルールを設定しておくと安心です。

2-3.レンタカー

社用車を保有せず、コスト削減のためにレンタカーやカーリース、マンスリーレンタカーを利用する企業も増えています。
その場合、社用車とは別に車両管理規程を整備しておくことが重要です。

レンタカーの使用を許可する基準や、使用時の届出手続きなどを明確にしておくことで、リスクを事前に防ぐことができます。

2-4.自転車

自転車は軽車両に分類されるため、通勤で使用を許可する場合には、車両と運転者の管理が必要となります。
自転車を業務で使用する際に車両管理規程を策定する場合、自転車通勤の許可基準や届出手続き、業務と私用の使用区分、安全教育、通勤に関するルール、さらに事故発生時の保険対応などを明確にすることが求められます。

これらのルールをしっかり定めておくことで、自転車使用に関連するトラブルを未然に防ぐことができます。

 

3.車両管理規程が必要な理由

車両管理規程を設けることがリスク回避に繋がる理由は、主に2つの法律に基づいています。

1. 民法第715条(使用者責任)

この法律は、従業員による事故に関して企業が法的責任を負う根拠となる『使用者責任』を規定しています。
使用者責任とは、企業が雇用した従業員が業務中に不法行為を行い、第三者に損害を与えた場合、雇用主がその損害賠償責任を負う仕組みです。この責任は、社用車を運転中に発生した事故にも適用されます。

例えば、従業員が業務中に急ハンドルを切って歩行者と接触し、けがを負わせた場合、その従業員は歩行者に対して損害賠償責任を負うだけでなく、企業も使用者責任として賠償責任を負うことになります。
しかし、車両管理規程を事前に設けておけば、事故発生時に「日頃から従業員に対して安全運転の注意を喚起していた」と認定される一要因となり、使用者責任が問われない場合もあります。

2. 道路交通法

道路交通法は、特に「ながら運転」などの違反に対して、年々厳格化されており、違反内容によっては即座に免許停止や懲役刑を科されることもあります。
このようなリスクを避けるためには、車両管理規程を制定し、運転ルールを明確化して従業員に徹底することが重要です。
法律の解釈が従業員によって異なり、「違反とは知らなかった」という誤解を避けるために、具体的な運用ルールを定めておくことが、道路交通法違反を未然に防ぐために役立ちます。

 

4.車両管理規程に盛り込むべきポイント

4-1.安全運転管理者の選任

道路交通法では、一定の台数以上の自動車を使用する企業に対し、その使用拠点ごとに「安全運転管理者」やその補助を行う「副安全運転管理者」を選任し、公安委員会に届け出ることが義務付けられています。

安全運転管理者と副安全運転管理者は、自動車運転の安全を確保するために内閣府令で定められた業務を遂行する役職であり、道路交通法に基づく業務を遂行する責任があります。
車両管理規程には、まずこの安全運転管理者を選任することを明記しておくことが必要です。

さらに、安全運転管理者は選任後15日以内に公安委員会に届け出る義務があり、この届出を怠ると最大で5万円以下の罰金が科せられることになります。

4-2.車両管理台帳の作成

車両管理台帳は、社用車を個別に管理するために必要な記録簿で、各車両の詳細情報を一元的に把握できるようにします。
これには、車両の特定に関する項目、車検や点検、保険情報など、車両の状況を管理するための各種データが記載されます。

以下は、車両管理台帳に記載すべき項目の一例です。

車両本体情報

  • 【車両購入・廃車・売却情報】
    車名、メーカー、初年度登録年、車体番号、ナンバー、色など
  • 【車検・定期点検情報】
    購入先、購入価格、購入日、仕入れ区分、リースの場合はリース先やリース金額、廃車やリース解約の日付、売却金額など
  • 【メンテナンス・修理履歴】
    車検有効期限、定期点検日、点検業者名、整備箇所など
  • 【事故情報】
    故障履歴、メンテナンス状況、修理金額、修理業者名など
  • 【使用状況】
    事故発生日、事故の種類(自損・他損・物損・人身)、事故後の処理状況など
  • 【安全運転管理者情報】
    使用部署、使用者、使用目的、運転日報など
  • 【保険情報】
    管理者の氏名、選任日、管理担当範囲(複数人の場合)など

自賠責保険・任意保険の加入先、保険金額、有効期間、証券番号、被保険者範囲など、このような情報を体系的に管理することで、車両の適切な運用が保証され、トラブルの予防や迅速な対応が可能となります。

4-3.運転者台帳の作成

運転者台帳は、車両管理台帳と並んで、交通事故やその他の事象が発生した際に迅速かつ適切に対応できるようにするための重要な記録です。
この台帳は、社内規程に基づき運転許可を得た運転者の詳細情報を整理・管理し、管理責任を果たしていることを示すための根拠としても活用されます。
運転者の氏名や部署、運転歴、事故・違反歴、免許の更新情報などを管理することで、万一の際に確実な対応が可能となります。

運転者台帳に記載すべき内容例(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条の5より)

  1. 作成番号及び作成年月日
  2. 事業者の氏名または名称
  3. 運転者の氏名、生年月日、住所
  4. 雇用日及び運転者選任日
  5. 免許に関する情報
  6. 運転免許証番号および有効期限
  7. 免許取得年月日及び種類
  8. 免許に条件がある場合、その詳細
  9. 違反歴
  10. 運転者の健康状態
  11. 指導・監督の実施状況
  12. 輸送安全規則第10条に基づく従業員への指導状況
  13. 適正診断の受診状況
  14. 運転者の写真(作成から6か月以内に撮影した、単独・上三分身、無帽、正面、無背景の写真)
  15. 運転者でなくなった日付と理由

これらの情報を適切に記録・管理することで、万が一事故が発生した場合に、運転者が規程に従って適切に管理されていたことを証明し、迅速かつ確実な対応が可能となります。

4-4.安全運転の確保

運転者には、交通ルールを遵守し、無事故・無違反の安全運転を徹底してもらう必要があります。
そのため、無免許運転、免許失効中の運転、飲酒運転、速度超過などの禁止事項を明確に記載し、運転者が常に安全運転を意識するよう促すことが重要です。
このように、運転者の行動基準を規定することで、安全運転の意識を高め、事故や違反を防ぐための基盤を作ることができます。

4-5.社用車の保守点検および整備

車両の整備や点検は、運転者の安全を守り、事故を未然に防ぐために欠かせない重要な対策です。
そのため、車両の安全性を確保するために、定期的な車検や定期点検、日常点検を確実に実施することを明記しましょう。定期的なチェックを行うことで、車両の不具合を早期に発見し、事故リスクを減少させることができます。

4-6.保険の付保

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)および任意保険への加入は、車両の運用において重要な要素です。
自動車損害賠償責任保険は、法律で義務付けられており、すべての車両が加入しなければなりません。これは、交通事故による他者への損害賠償責任をカバーするための保険です。

一方、任意保険は、自賠責保険ではカバーされない損害を補償するために加入する保険です。これには、事故による車両の修理費用や、運転者自身の損害を保障する内容が含まれます。車両管理規程には、すべての車両がこれらの保険に適切に加入していることを確認する旨を記載し、保険証券などの提出を求めることが推奨されます。

4-7.社用車の私的使用の禁止

業務以外での社用車の利用は、基本的に禁止することが望ましいです。
万が一、やむを得ない事情で社用車を業務外で使用する必要が生じた場合には、事前に許可を得る手続きとして、許可書の提出を求めるなどのルールを明確にしておきましょう。
このような規定を車両管理規程に記載することで、社用車の不適切な使用を防止し、業務外での事故やトラブルを未然に防ぐことができます。

4-8.マイカーの業務使用について

マイカー通勤は、業務と私用の境界が不明確になりやすく、業務中に事故を起こした場合には会社にも損害賠償責任が及ぶ可能性があるため、多くの企業では原則として禁止されています。
このようなリスクを避けるため、社用車以外の移動手段の使用については慎重に取り扱う必要があります。

しかし、コロナウイルスの影響により、テレワークの推進や密を避けるためにマイカー通勤を認める企業も増えてきました。
こうした特別な状況に対応するためには、マイカー通勤規程を策定し、使用許可基準や届出義務を明確に定めておくことが重要です。

マイカー通勤規程には、使用頻度や範囲、通勤時間、利用条件などを具体的に記載し、全従業員に周知・徹底することが求められます。また、通勤中の事故によるけがや死亡に関しては、労災として認定される場合があるため、従業員に対して任意保険への加入状況を確認し、保険証券の提出を求めることを通勤条件に加えることを推奨します。

4-9.事故時の対応

万が一事故が発生した場合の対処についても、車両管理規程に明記しておくことが重要です。事故報告や事故処理の手順を明確にしておくことで、迅速かつ適切な対応が可能となり、後々のトラブルを避けることができます。
事故発生時の報告手順、責任の所在、事故処理に必要な情報の収集方法などを規程に記載し、従業員がどのように行動すべきかを明示しておくことも求められます。

例えば、事故発生後に従業員が直ちに上司や安全運転管理者に報告すること、事故の詳細を記録するための報告書を提出すること、そして保険会社への連絡手順を含めた手続きを規定することが効果的です。
また、事故処理に関する責任の所在を明確にすることで、企業としての責任を明確にし、事故対応がスムーズに進むようにします。

 

5.車両管理規程を作成するメリットとは

運転指導はなぜ必要なのか

事故の未然防止や削減を実現するためには、安全運転指導が不可欠です。従業員が運転中に安全運転を意識できるようにすることが、企業の安全管理において重要な役割を果たします。

例えば、「ながら運転」やカーナビ、携帯電話の画面を注視する行為を避けるよう指導し、運転に集中できる環境を整えることが求められます。また、夕暮れ時など視界が悪い時間帯には、歩行者や自転車の横断を予測して減速するよう指示することも重要です。

業務中に事故が発生すると、運転者だけでなく、企業にも運行供用者責任※が問われます。事故による営業機会の損失や企業イメージの低下は、大きなダメージとなり、回復には時間がかかります。そのため、事故発生を防ぐための意識向上は、企業にとって大きな課題です。

※運行供用者責任
運行供用者責任とは、車両や運転者を提供する立場にある事業者が、事故によって被った損害に対して法的責任を負うことです。

新入社員などは、運転免許を保有していても、運転技術が必ずしも高いとは限りません。特に、ゴールド免許を持っている従業員でも、実際には運転経験が少ないペーパードライバーである可能性があります。

このような背景を踏まえて、企業は従業員に対して安全運転の重要性を教え、運転技術や意識を向上させるための指導を行うことが非常に重要です。従業員自身やその家族を守るためにも、安全運転に対する意識を強化する取り組みが必要です。

 

6.どのような運転指導をするべきか

実際の現場で運転指導を行う際には、企業の状況や予算を踏まえた方法を選択することが重要です。具体的には、以下の5つの運転指導方法があります。

1.講義形式の安全運転研修

  • 内容:安全運転に関する基本的な知識や規則、事故のリスクや対処法について講義形式で指導します。
  • メリット:全従業員に一度に指導でき、効率的に基本的な知識を伝えることができます。
  • デメリット:一方通行の情報提供になりがちで、個別の運転技術に対するフィードバックが不足することがあります。
2.実技指導(運転技術向上)

  • 内容:実際に車を使用して運転技術を向上させる指導です。専門のインストラクターが同乗し、運転者の運転方法にアドバイスをします。
  • メリット:実践的な指導が可能で、個別の運転技術や癖に対して具体的な指導ができます。
  • デメリット:インストラクターを確保する必要があり、費用や時間がかかります。
3.シミュレーション訓練

  • 内容:運転シミュレーターを使って、危険な運転環境や緊急事態を擬似体験する訓練です。
  • メリット:事故や危険な状況を安全に体験でき、反応速度や判断力を養うことができます。
  • デメリット:シミュレーターの導入費用や維持費がかかるため、予算に制約がある場合は難しいことがあります。
4.安全運転コンテストやイベント

  • 内容:定期的に安全運転コンテストや運転スキルを競うイベントを開催し、従業員に競争意識を持たせます。
  • メリット:参加者の運転技術を競わせることで、楽しみながら学ぶことができます。また、従業員同士で意識が高まりやすいです。
  • デメリット:参加者が限定される場合があり、全員に対する効果的な指導には限界があります。
5.オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)

  • 内容:実際の業務の中で、先輩や管理者が直接指導を行い、安全運転の実践を行う方法です。
  • メリット:実際の業務の中で即戦力を高められるため、業務の一環として効率的に安全運転を学べます。
  • デメリット:指導が個別に行われるため、複数の従業員に対して同時に指導することが難しく、管理者の負担が増す可能性があります。

これらの指導方法を、企業の予算や従業員数、運転者の経験に応じて組み合わせることが効果的です。例えば、講義形式と実技指導を併用することで、理論と実践の両面から従業員にアプローチすることができます。

 

7.車両管理規程を自社従業員が違反した場合はどうすれば?

企業における車両の適切な使用を保証するために設けられた車両管理規程は、従業員が遵守すべき重要なガイドラインです。しかし、もし従業員がこれらの規程に違反した場合、どのような罰則が適用されるのでしょうか。
ここからは、車両管理規程違反時に科される罰則の種類とその適用条件について解説します。

7-1.罰金を取ることはできない

確かに、企業が従業員に対して罰金を課すことは、労働基準法第16条に基づき、違法であるため認められていません。この法律では、罰金や賠償金を徴収することは禁じられており、企業が従業員に対して金銭的な罰則を科すことはできません【労働基準法第16条】。

ただし、教育的アプローチや改善命令などを通じて、従業員の行動を正すことは可能です。また、減給や謹慎などの罰則についても、一定の条件で規程に記載することはできますが、これも軽度な違反に対して過度な罰則を科さないよう配慮する必要があります。

例えば、軽微な違反に対しては、以下のような処分が適切です。

  • 厳重注意
    初めての軽微な違反に対しては、口頭または書面で注意をするだけで済ませることが多いです。
  • 改善命令
    違反があった場合に、再発防止のための改善策を講じる指示を出すことが可能です。
  • 減給
    重度の違反が繰り返される場合に、業務規律の改善を促すために減給処分を検討することができますが、適切な手続きを踏む必要があります。
  • 謹慎
    一定期間の業務停止を課すことも考えられますが、慎重に実施する必要があります。

企業は、罰則を定める場合、その目的が従業員の教育・改善にあることを明確にし、過度な罰則を科すことのないようにすることが重要です。また、従業員の意識向上や事故防止のためには、罰則の導入だけでなく、教育や訓練を中心にした対応が基本となります。

7-2.車両管理規程や就業規則に定める必要がある

企業が車両管理規程や就業規則に罰則を設けることは、労働基準法第91条に基づいて許容される範囲内で行えます。ただし、この場合、罰則を設ける目的が会社の秩序を維持することにあることを明確にし、過度な制裁を避ける必要があります。

具体的には、減給に関する制裁については、以下の制限があります。

  • 一回の額が平均賃金の一日分の半額を超えてはならない。
  • 総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

これらの制限に従って、罰則を設ける場合は、減給や降格を選択肢として記載することができますが、明確に罰金を徴収することはできません。

車両管理規程における罰則の記載方法としては、以下のような表現が適切です。

  • 「車両管理規程に違反した場合、厳重注意、減給、または降格処分を行うことがある。」
  • 「違反が繰り返された場合には、必要に応じて減給や降格などの措置を取ることがある。」

このように、罰則は具体的な内容を示すことが大切ですが、過度に厳しい制裁を避け、教育的な意図を持った処分がなされることを従業員に伝えることが重要です。また、罰則の対象となる違反行為についても、明確に定めておくことがトラブルを未然に防ぐために重要です。

 

8.まとめ

車両管理規程は、企業・運転者の安全運転を確保し、事故や法的責任を回避するために重要です。規程には社用車やマイカーの利用ルール、安全運転指導、事故対応策を盛り込み、運転者の管理や保険加入も必須です。違反には厳重注意や減給などの処分を設け、秩序を維持します。車両管理の徹底は企業のリスク管理に不可欠です。

これを機に、自社の規程を見直してみてはいかがでしょうか?

 
 
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※本記事は、一般的な情報を提供することを目的としており、法律的な助言を行うものではありません。また、本記事の内容についての保証はいたしかねます。本記事の利用により生じた損害について、当社は一切の責任を負いません。車両管理規程の策定や運用に際しては、各企業の状況に応じて専門家にご相談ください。

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