突然の「大雪特別警報」 冬タイヤでも懲役・罰金の可能性も!
こんにちは、Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
冬になると、雪が降る地域ではもちろんのこと、普段雪が降らない地域では、慣れない雪道運転をすることもあります。普段通りに運転していると、思わぬアクシデントに見舞われることがありますので、いざというときのために、運転のちょっとしたコツや事前に準備しておく物が分かっていれば安心です。
3回に分けてお届けする「雪道運転に関する注意点」。Part1の今回は、昨年施行された「チェーン規制」のおさらいと、大雪特別警報発令時の注意点・ポイントについて紹介します。
【目次】
1.過去には大規模災害に発展した「大雪」
1−1.北陸地方を襲った大雪で物流がストップ
1−2.国土交通省が示す課題と対策
2.違反すると懲役・罰金の可能性も!「チェーン規制」をおさらい
2−1.立ち往生を減らすための「チェーン規制」
2−2.違反したときの具体的な罰則
3.車両の通行が規制されるのは一部の区間。その場所とは?
3−1.2018年度に指定されたのは、全国で13区間
3−2.規制には「メリット」もある⁈
4.「大雪特別警報」発令で表示される「新標識」
4−1.チェーン規制を知らせる「新標識」が登場!
4−2.事前発表される「大雪情報」と最新情報で運転の安心・安全を確保
1.過去には大規模災害に発展した「大雪」
1−1.北陸地方を襲った大雪で物流がストップ
2018年1月、関東地方は記録的な大雪となり、首都高速道路の通行止めや車両の立ち往生が相次いで発生しました。その直後の2月上旬、北陸地方では平年の6倍という大雪に見舞われました。北陸自動車道が通行止めとなり、迂回のため国道8号に流入する車両が増加。乗用車やチェーンを付けていないトラックなど約1500台が雪に埋まるなどして立ち往生しました。
当時、北陸道は最大31時間の通行止めとなり、解消まで60時間以上、陸上自衛隊が派遣されました。数多くの輸送トラックも巻き込まれたことで物流が滞り、食料・ガソリン・医療品が不足するなど市民生活や経済活動は大きな影響を受けました。
1−2.国土交通省が示す課題と対策
この件を踏まえ、国土交通省は、
- 除雪の体制強化
- 複数のチェーン未装着の大型車が複数立ち往生
- 北陸自動車道の通行規制で、国道8号に車が集中
- 立ち往生車両の発見・対応の遅れ
- 走行不能車両の待避スペースがなく、後続車両の通行に支障がでた
などを、課題として挙げています。
全日本トラック協会のまとめでは、冬用タイヤを装着して雪道運転で立ち往生した車の89%がチェーン未装着、雪の直轄国道で立ち往生した車の61%が大型車であるとのデータがあります。経済活動に大きな影響が出る前に対策をすること、思いがけず大雪に見舞われるときだけでなく、冬季は常にチェーンを準備しておくことが必要といえそうです。
2.違反すると懲役・罰金の可能性も!「チェーン規制」をおさらい
2−1.立ち往生を減らすための「チェーン規制」
台風や地震などの災害が発生すると、各高速道路では通行規制が行われますが、大雪の際にも同様です。
近年は、大雪で車の立ち往生が増加していることから、国交省と警察庁は18年12月10日、「大雪特別警報」や、大雪に対する緊急発表が発表されるような状況下では、スタッドレスタイヤを装着している車を含め、すべての車両に対する「タイヤチェーン装着義務化」の方針を発表し、同14日に公布・施行しました。
2−2.違反したときの具体的な罰則
大雪特別警報などが発表されると、対象区間を通行するすべての車両は、スタッドレスタイヤだけでは走行できず、チェーンの装着が義務付けられます。このとき、タイヤに巻きつけるタイプのものしか認められておらず、タイヤに吹き付けて使用するスプレー式チェーンはチェーンとして見なされませんので、注意が必要です。
違反した状態で規制区間を走行して事故を起こす・取り締まりを受けるなどした場合は「車両通行止め区間を走行した」とみなされ、「6月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。
また、これはご存じない方もいるかもしれませんが、雪道をノーマルタイヤ・夏タイヤで走行した場合は、違反点数はありませんが、反則金(大型車:7,000円、普通・自動二輪車6,000円、原付5,000円)、5万円以下の罰金になることもあります。
3.車両の通行が規制されるのは一部の区間。その場所とは?
3−1.2018年度に指定されたのは、全国で13区間
「チェーン規制」が実施されるのは、運用が始まった時点で全国13対象区域(国道6区間、高速道路7区間)です。
どのような場所かというと、
- 過去に大規模な立ち往生が発生するなど危険性が高い区間
- チェーンを着脱できる場所がある区間
です。18年度の実績をふまえ、今後、規制区域の範囲が拡大される可能性もあります。
具体的な対象区間を紹介します。
◆全国13区の対象区間
- 直轄国道
- 高速道路
- 地図
-
※出典:国土交通省発表資料より
※最新の情報は国土交通省・警察庁等の関係省庁の発表をご確認ください。
3−2.規制には「メリット」もある⁈
「大雪特別警報」などの警報が発令されると、上記の区間は車両の走行が規制されます。
国交省は、タイヤチェーン装着の義務化と併せて、場合によっては早めに高速道路への車両の流入を規制・一般道への迂回を促すとしています。これは、事故や立ち往生で車両が動けなくなる事態を回避する狙いがあります。
「規制」といっても、困ることばかりではありません。
これまでは大雪で通行止めになっていた高速道路や幹線道路が、チェーンを装着した車であれば通行できるようになるため、一般道路を迂回する必要がなく、物流への影響を少なくすることができます。
4.「大雪特別警報」発令で表示される「新標識」
4−1.チェーン規制を知らせる「新標識」が登場!
昨年の法令改正では車両に対する規制のほかに、「タイヤチェーンを装着していない車両の通行止め」を表す標識も発表されました。運転中、電光掲示板にこのマークが表示されたときは、チェーン装着が必要な状況が差し迫っていること、規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認を行うことを知らせています。
チェーンがないときは、最寄りのICで一般道に降りるよう指示がありますので、そのまま走行したいときは、最寄りのSA・PA、チェーン装着区域で準備をする必要があります。
◆新標識
※出典:警察庁発表資料より
4−2.事前発表される「大雪情報」と最新情報で運転の安心・安全を確保
「大雪に関する緊急発表」は、台風情報と同じように事前に発表されます。
国交省は、2~3日前までには警戒を呼びかけ、高速道路会社や各自治体などと連携して迂回路の提示といった対策を講じるとしていますが、運転中の予想外の大雪や、走行中に特別警報が発表されることもあるかもしれません。そのときになって慌てないよう、冬用タイヤに履き替えた上でチェーンを準備し、最新情報が入手できるようにしておく方が安心です。
次回は「大雪で交通がストップしたときの対処法」についてお届けします!
【参考資料】
国土交通省:チェーン規制Q&A
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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