大雪で立ち往生!いざというとき安全を確保するためのHow To

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こんにちは、Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

前回の「運行責任者にも罰則? 雪道運転時の違反規定と地域別道交法一覧では、雪道運転でのリスク低減のための事前の準備・都道府県ごとの罰則規定などについてお伝えしました。
今回は「雪道の運転の基本」と「雪で身動きが取れなくなったときの対処法」についてまとめました。

【目次】
1.「これだけはやってはいけない」雪道走行の基本事項
 1-1.「急」な操作はご法度
 1-2.止まるまで8倍!通常時と雪道のブレーキ効果の違い
 1-3.路面状況にも注意が必要
2.突然の大雪・暴風雪で身動きが取れない!安全を確保するためのHow To
 2-1.運転中に身動きが取れなくなったときの対処法
 2-2.管理者とドライバーが連絡を取る方法
 2-3.立ち往生!車内に泊まらなければならないときは
 2-4.車を停めて避難!法律で決められている内容とは
3.準備完了!いざ、雪道へ!と、その前に
 3-1.最新情報を確認して、安全な雪道運転を!
 3-2.スタッドレスタイヤに履き替えるタイミング

1.「これだけはやってはいけない」雪道走行の基本事項

1−1.「急」な操作はご法度

雪に慣れている地域でも、猛吹雪で視界がさえぎられる「ホワイトアウト」、路面の凍結やスリップで多くの車両が巻き込まれる「多重事故」「立ち往生」が発生しています。

まず、雪道を走行する際にやってはいけない操作があります。それは、

  • 急ブレーキ
  • 急ハンドル
  • 急加速

です。

「急」な動作をすると、車体が思わぬ方向に向かう・スリップして止まれない・車体がコントロールできず事故に直結する原因になってしまいます。

これらを回避するためには、

  • 通常の運転時よりも手前からゆっくりとブレーキをかける
  • 発進時はゆっくりとアクセルを踏む
  • 下り坂では事前にシフトダウンし、エンジンブレーキを併用する
  • 通常の2倍程度の車間距離を開ける

これらを心がけることで、アクシデントを回避できる可能性が高まります。

 

1−2.止まるまで8倍!通常時と雪道のブレーキ効果の違い

雪道運転で特に気をつけたいのが「ブレーキ操作」です。
凍結や雪が積もって踏み固められている路面状況では、通常の乾いた路面と同じブレーキ操作では、安全に止まることが難しくなります。

一般社団法人日本自動車タイヤ協会の資料によると、路面凍結時の滑りやすさは「最大で通常時の約8倍」。
この調査結果から考えられることは、スピードを出さず、十分すぎるほどの車間距離を取っていても、事故を起こす可能性があるということです。


出典:一般社団法人日本自動車タイヤ協会

事故を防ぐためには、先を急ぐ気持ちを抑え、ゆっくりと慎重に、意識的にスピードを落として走行することが必要になりそうです。

 

1−3.路面状況にも注意が必要

ひとくちに「雪道」といっても、その状況はさまざまです。
水分が多い雪・わだちができた道路はハンドルを取られやすく、アイスバーンのときにはスリップ事故が起こりがちです。
また、路面が濡れているように見えて凍結していることがあります。
カーブ・トンネルの出入り口、橋の上、日陰は注意が必要です。手前で十分に減速することが事故防止に役立ちます。


出典:一般社団法人日本自動車タイヤ協会

雪道では、スタックすることもあるかもしれません。
自力で対処するときは、駆動輪の脱出方向に毛布を敷く・砂をまくなどタイヤが滑らないようにしてから、振り子のように前後に車を動かし、少し強めに発進することで脱出できます。直進が難しいときは、ハンドルを左右に切ってみてください。

 

2.突然の大雪・暴風雪で身動きが取れない!安全を確保するためのHow To

2−1.運転中に身動きが取れなくなったときの対処法

事前の準備が万端でも、運転中に身動きが取れなくなる可能性がないともいえません。
自力走行ができなくなったときは無理をせず、

  • 消防(119番)
  • 警察(110番)
  • 道路緊急ダイヤル(#9910) ※24時間受付/通話料無料
  • JAF(#8139) ※通話料有料。一部のIP電話・携帯電話からはつながりません

に救助を要請してください。

救助を待つ間、ドライバーはどのような対処すればよいのでしょうか。また、管理者は、どのような方法でドライバーと連絡を取ればよいのでしょうか。

 

2−2.管理者とドライバーが連絡を取る方法とは

大雪だけでなく、日本は台風や地震といった災害リスクを常に抱えています。
有事の際も普段通りに連絡が取れる仕組み・荷主/荷受けの企業間、企業とドライバーが“相互に情報共有する仕組み”を構築しておくことで、さまざまなリスクに備えることができます。

Cariotでは、車両の動態管理だけでなく、大雪などの災害時における対応をまとめたPDF資料をご用意しています。
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2−3.立ち往生!車内に泊まらなければならないときは

立ち往生し、近くに避難場所がないことも想定されます。そのときは車内泊をすることになりますが、外気温が低い冬場は「低体温症」に細心の注意が必要です。

最初に思いつくのは「暖房をつける」ことですが、エンジンをかけっぱなしにすることによる一酸化中毒の危険があるため、オススメできません。暖房をつけたままにするときは、マフラーが雪に埋まらないようこまめな除雪と換気が必要になります。
ドライバーの安全と燃料確保のために、できるだけエンジンを止めて過ごすためには、どのようにしたらよいのでしょうか。

気温が低い場所では、毛布・使い捨てカイロ・寝袋・防寒具などで体を冷やさない装備があると安心です。
加えて、一般的な防災用品(長期保存ができる飲料・食料・携帯トイレなど)も用意しておくと、車内を「一時避難所」として利用できます。

 

2−4.車を停めて避難!法律で定められている内容とは

豪雪・大規模地震・津波・火災などで、通常の車両運行が難しく、車から降りて避難しなければならないときの対処方は、2014年11月21日に一部改正・施行された「災害対策基本法 第76条」で定められています。

この改正では、東日本大震災・大雪で多数の車両が立ち往生するといった大規模災害発生時、放置車両・立ち往生車両が救助・除雪の妨げになったことから、車両の移動に関する規定が盛り込まれました。これはドライバーだけでなく、車の所有者・管理者にも適用されます。

走行中に発災した場合は、ハザードランプを点灯させ、他の通行を妨げない位置(路肩など)に停車します。
車から離れるときは、窓を閉め、キーを付けっぱなしにするか、外から見える場所に置き、ドアはロックせずに避難します。
キーをつけたままだと盗難の心配もあるかもしれませんが、スムーズな救助活動のためには必要な措置です。


引用:国土交通省「災害対策基本法に基づく車両移動に関する運用の手引き

【参考資料】
国土交通省: 災害対策基本法の一部を改正する法律の公布について

内閣府:災害対策基本法

 

3.準備完了!いざ、雪道へ!と、その前に

3−1.事前に最新情報を確認して、安全な雪道運転を!

冬になると、突然の大雪で「物流がストップ!」というニュースが大きく取り上げられることが増えています。
物流の滞りは、企業の生産や経済活動、一般生活と広範囲に大きな影響を及ぼします。対策を講じても、こうしたできごとに巻き込まれることもあるかもしれませんが、何もしなければ経済・社会活動への影響は計り知れません。
これらを回避するために、普段より入念にルート選びや運行スケジュールを組み立てる必要があります。
目的地までの最新の道路状況を把握するために、国交省が公開している「雪道情報」などを活用するのもひとつの方法です。

【国土交通省】全国の雪道情報

 

3−2.スタッドレスタイヤに履き替えるタイミング

雪道運転におけるスタッドレスタイヤの存在は、夏服から冬服に変わるようなものですが、洋服とは違い、タイヤを履き替えるタイミングは案外、頭を悩ませるポイントかもしれません。

新品の場合は、性能を発揮するための慣らし運転(走行距離100〜200km/時速60〜80km以下。車の種類によって異なります。詳細は各メーカー情報をご確認ください)が必要になるため、逆算すると、降雪の約1カ月前がひとつの目安になりそうです。
気象庁が「初雪・霜・結氷の平均値」を公表しています。良い状態で運転するための参考にしてみてはいかがでしょうか。
【全国主要都市の初雪・結氷の平均値】

  • 札幌 :10月28日/初雪 10月27日/結氷
  • 東京 : 1月3日/初雪  12月17日/結氷
  • 名古屋:12月20日/初雪 12月2日/結氷
  • 大阪 :12月22日/初雪 12月14日/結氷
  • 福岡 :12月15日/初雪 12月16日/結氷

※平均値は1981年~2010年の30年の平均

【参考資料】気象庁「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日の平年値
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
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