はじめよう!車両管理 第4回~運行管理の重要性とは?適切な車両の配置を実現するために~
こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
業務に車両を使われている企業において、効率的なドライバー・車両の配置ができていない、最適な運行ルート設計に苦労している、運行状況や稼働状況の把握が難しい…などの課題を抱えている担当者は多いのではないでしょうか?
そこで今回の「車両管理入門 第4回」では、「運行管理の重要性」と「適切な車両の配置と最適化」についてお伝えします。
【目次】
1.車両の適切な配置を実現するには
1-1.「運行管理」の具体的な業務
1-2.「運行管理」で重要なポイントは「見える化」
2.最適なルート設計と運行実態の把握
2-1.ドライバーの運行状況を管理する
2-2.システムのデジタル化で得られる成果と効果
3.効率的に業務を進めるために
1.車両の適切な配置を実現するには
1-1.「運行管理」の具体的な業務
車両の適切な配置とは、車両の稼働効率を考えながら、効率的に回れるエリアやルートを割り当てることです。
しかし、単にコストや輸送効率だけを考えて車両を配置し、ルートを設定すれば良いわけではなく、厚生労働省労働局が策定・公表している「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」に基づき、ドライバーの拘束時間・休息期間など労務管理をはじめとした複数の要素も考慮した計画を立てなければなりません。
そのため、運行管理を行うにあたり、
- 車両の稼働状況
- 適切なルート設定
- 健全な労働時間
- ドライバーの健康状態
などを考慮して運行計画を立てる必要があります。
画像:国土交通省「適切な運行管理と安心経営のためのICT活用ガイドブック」
さらに、運行計画に対する実績の評価をきちんと行うことで、下記の効果も期待できます。
- 配送ルートの効率化
- 適切な車両配置による生産性向上
- ドライバーの業務負担の軽減
- 事故のない安全な輸送の実現
1-2.「運行管理」で重要なポイントは「見える化」
安全かつ効率的な運行管理を行うためには、まずは運行実態を正確に把握する必要があります。
さらに言えば、「運行計画に対しての実績の把握」と「現状の運行計画におけるボトルネックの洗い出し」ができる体制を整えることが理想的です。
とはいえ、複数の営業所がある・ドライバーの稼働状況を把握できていない・季節要因により車両稼働の変動が大きいなど、様々な要因により現状の把握がままならないことは珍しくありません。
そこで、適切な運行管理を行うための最初のステップとして、ドライバーと車両それぞれの実態を「見える化」することをおすすめします。
従来のアナログな手法で運行管理を行う場合、車両ごとの稼働状況や各ドライバーの運転状況などの情報を即時に収集することは至難の技です。
しかし、デジタル管理システムを利用すれば、これまで管理者側からは見えにくかったこれらの情報を自動で取得できるようになるため、ドライバーと車両の実態をひと目で確認できるようになります。
具体的なデータを取得したら、それらを元に「適切な車両の配置ができているか?」「配置台数やドライバー数に過不足はないか?」といった問題点を洗いだし、改善策を検討・実施することで適切な運行管理の実現につながります。
2.最適なルート設計と運行実態の把握
2-1.ドライバーの運行状況を管理する
運行管理において担当者を悩ませることの一つに「最適なルート選択」が挙げられます。
たとえば、ルート配送を行う際には、日時・場所・積載量などを考慮したルートの設計が求められます。その上で稼働可能なドライバーはどれだけいるのか、誰にどのルートを任せるのかを組み立てる必要があります。
しかし、いくら綿密にルート計画を立てたとしても、道路渋滞による遅延の発生や、追加の配送依頼や配送キャンセルなどの不測の事態を完全に防ぐことは難しいでしょう。
担当者はその都度、ドライバーに連絡をして現在地を確認し、状況に応じた運行計画の組み直しを行わなければなりません。アナログ管理の場合、運行管理担当者がこれらの作業にかかりきりになり、他の業務にかける時間が割かれてしまうことになります。
「デジタル動態管理システム」を活用すれば、ドライバーの位置情報や道路状況などが自動で取得されるので、リアルタイムで現場の状況を把握できるようになります。そのため、管理者はこれまでのようにそれぞれのドライバーに電話をかけずに、システムの管理画面を確認することで問合せに対応できたり、ドライバーに指示を出したりすることができるようになります。
ドライバー側としても、運転や作業を止めて電話対応や報告をする必要がなくなり、本来の業務に専念できるようになります。
このように、システムの導入は生産性の向上やドライバーの健全な労務環境の整備にも大きなメリットがあります。
画像:国土交通省「適切な運行管理と安心経営のためのICT活用ガイドブック」
デジタル化のメリットは、これだけではありません。
システムによっては運転時の速度超過や急加速急減速・急ハンドルの頻度や発生地点、燃料の消費量も可視化できるようになります。具体的なデータを元にドライバーへの安全運転指導を行えるようになり、事故の予防・削減やエコドライブの実現によるコスト削減も期待できます。
2-2.システムのデジタル化で得られる成果と効果
「正確なデータの取得」は、適切な運行管理を実現するだけでなく、業務全体の効率化にもつながります。
運行管理を行う上で欠かせない情報として、運転日報や運転日誌があります。
従来のアナログ管理では手書きで紙に記録をし、ファイルで保管する方法が主流でした。しかし、属人的な作業による記入漏れや記載ミスの発生リスクに加えて、集計業務の負担が大きいため、せっかくのデータを収集するだけで終わってしまうことが少なくありません。
システムをデジタル化すると、日々の運転日報を自動で作成・集計することができるようになるので、収集したデータを分析し、現状の課題の洗い出しや改善策を検討する時間を作ることができます。
たとえば、各ドライバーの走行履歴を集計できるようになることで、運行管理で立てた計画通りに配送ができているか?の分析も可能になります。
※運転日報に関しては、「はじめよう!車両管理 第3回~運転日報の役割とは?日報の書き方と活用法~」で詳しくお伝えしました。こちらもぜひご覧ください。
3.効率的に業務を進めるために
運行管理をデジタル化し効率的に業務を進めるためには、システム導入が管理側だけでなくドライバー側にもメリットがあることを伝えることも大切です。
ドライバーの走行データを取得することによって、
- 災害時のドライバーの安全確保にも役立つ
- 無理のない運行計画が立てられるようになる
- 適正な労働時間を保つ仕組み作りにつながる
など具体的なメリットを理解してもらうことで、相互理解がより深まり、スムーズな運用が実現します。
せっかくのシステムも正しく運用されなければ効果は半減してしまいます。事前に関係各位へのシステム導入や活用方法に対する認識を合わせた上で導入を進めましょう。
4回にわたりお送りしてきました「はじめよう!車両管理」ですが、皆様の会社における車両管理の参考になりましたでしょうか?
一言で車両管理といっても、業務内容や車両の利用用途によって、とるべき対策や集めるべきデータは千差万別です。
もし自社の管理方法について見直しをご検討の場合は、ぜひお気軽にCariotにご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
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