【Cariot 専門家コラム】OBD2 とは
こんにちは、森と申します。
このたび Cariotのコネクテッドなブログで、専門家ライターの役目を拝命しました。私はこれまで地図や動態管理の分野に20年以上関わってきているため、その経験をもとにときどき、みなさまにコネクテッド・カーにまつわる業界専門知識をご紹介して参ります。
第1回目は、Cariotでも使われているOBD2についてのお話です。
さて、今や自動車は電子機器とも言えるほど電子制御されています。多くの部品にはセンサーが取り付けられていて、そこから”自動車のコンピュータ”とも言うべきECU(Electrical Control Unit)に送られています。
”自動車のコンピュータ” であるECU は、昔は自動車メーカーや車種によって規格がバラバラだったのですが、20 年ほど前から順次、アメリカ、EU、日本など主要な国で共通な規格の採用が義務づけられるようになりました。それが、いわゆるOBD2規格です。OBD は、On-Board Diagnostics の略で、もともと自動車の自己診断機能を意味し、主として異常や故障診断のために使われてきました。
”自動車のコンピュータ”であるECU で取り扱われる情報は多岐にわたります。この中で、速度、エンジンの回転数、ガソリンの残量などが自動車のダッシュボードパネルに表示されますが、それ以外の多くは、私たちの目に触れることは普段ありません。このECU の情報は、OBD2 コネクタを通して簡単にアクセスできます。また、難しい取り付け作業を必要とせず、また大半の車種でも共通に利用できます。このため、各メーカから、ポータブルカーナビの拡張機能としてOBD2 を活用する製品が販売されています。トンネル内でも位置情報がわかる、燃費がわかる、ダッシュボードパネルに表示されない詳しい情報がわかるなど便利なことがたくさんあります。
たとえば、カーナビ拡張製品としては以下のようなものがあります。
パナソニックの製品例
http://panasonic.jp/car/navi/products/cs10/index.html
ユピテルの製品例
https://spareparts.yupiteru.co.jp/contents/obd2.php
さらに、最近では、ECU の情報をインターネット経由で業務に活用する事例が見られるようになりました。GPS と組み合わせて故障車の状況と位置情報を瞬時に把握して対応する、危険運転の検知と警告をリアルタイムに行う、車両運行日報作成を自動化するなど、クラウドサービスと組み合わせることで、今までに無かった価値が脚光を浴びるようになって来ています。
CariotもOBD2を使ったクラウドサービスのひとつですが、今後、そのようなOBD2を使ったコネクテッド・カー・サービスはみなさんの日常に、より身近な存在になってゆくことでしょう。
すべての車がインターネットに繋がっている。そんな時代はもうすぐなのかもしれません。
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