新人教育はお済みですか? 交通事故防止のための“安全運転指導”
こんにちは、Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
みずみずしい若葉が美しい、新緑の季節になってきましたね。この春新卒など新入社員が入社し、フレッシュなメンバーの現場デビュー、それに伴う運転業務がそろそろ始まるという企業様も多いのではないでしょうか。
“若者のクルマ離れ”が進み、ペーパードライバーも多いといわれる昨今。新入社員にさっそく運転を任せて大丈夫? 交通事故回避のため、社用車や営業車を保有する企業がこのタイミングで行なっておきたい安全運転指導についてお伝えします。
【目次】
1.ご存知ですか? 20代の交通事故は高齢者より多い!
2.安全運転のために行いたい“新入社員教育”のポイント
3.“社員”としてハンドルを握っているという自覚を
1.ご存知ですか? 20代の交通事故は高齢者より多い!
警視庁交通局が発表した「平成29年中の交通事故の発生状況」によると、交通事故による負傷者数は近年減少を続けています。これには交通取り締まり強化などの効果によるところが大きいのかもしれません。
だた、下記「年齢層別人口10万人当たり負傷者数の推移」から分かるように、負傷者数が一番多いのが20代。この負傷者数には加害者と被害者の双方が含まれますが、いずれにしろ20代の若年ドライバーが交通事故発生に係わる割合が高いということを示しています。
また負傷者数の推移という面から見れば、全体と同様に減少の流れとなっていますが、年代層別の順位としてはこの10年間、毎年ワースト1となっています。
たとえば2017年(平成29年)度においては、高齢者層70代と比べても実に2.7倍というのが現状です。
さらに、下記「事故発生時の状態別、年齢層別の人口10万人当たり負傷者数」からは“20代の自動車運転中”がボリュームゾーンとなっていることがわかります。こちらのグラフにおいても、高齢ドライバーよりも20代ドライバーの負傷数の方が3.5倍(※70代との比較の場合)も多いということは注目すべき点ではないでしょうか。
※出典:警視庁交通局「平成29年中の交通事故の発生状況」より
経済的理由、趣味の多様化など“若者のクルマ離れ”が進んだ現在、学生時代などに免許は取得したものの、ほとんど運転経験のないまま入社に至るパターンは顕著になっているといいます。しかしながら、営業職などでは特に新入社員が現場に足を運ぶため、不慣れながらも営業車や社用車を運転するケースは少なくないでしょう。
安全確認の方法や走行時の注意点などを認識していたとしても、プライベートでクルマを運転することがほとんどなかったことから、実際の運転に不安を抱えていたり、経験則に基づく判断が難しいこともあるかもしれません。
そういった背景が、新入社員を中心とする20代のドライバーの交通事故が多い一因であると考えられます。それを踏まえたうえで、企業としてはぜひこの時期に“交通事故を防ぐための新入社員教育”を行っておきたいですね。
2.安全運転のために行いたい“新入社員教育”のポイント
さて、実際に指導を行うといった場合でも企業の体制や新入社員の人数、配属先などによって必要な指導項目は異なってくることと思いますが、ここでは代表的な項目をタイミング別にまとめました。いずれも入社間もないこのタイミングであるからこそ、より効果的なポイントとなってきます。
- アンケートなどによる運転経験、ペーパードライバーでないかのチェック
- 安全運転プログラム(座学)の社内研修を実施
- 外部の実技研修への参加
- 事故発生時の対応研修
配属、または現場での運転デビューまでに時間が取れる場合には、新入社員に対して運転経験などの確認を行ったうえ、ペーパードライバーからのスタート、比較的運転は得意、などといったスキルも参考として業務上での運転計画を立てられたらベストですね。さらに、それに応じて、テキスト教材や動画を用いた安全運転のための社内研修や、自動車学校などに委託した実技研修を受講してもらうのも有効的です。
なお、社内研修用プログラムに“安全運転のためのポイント”を用意しているケースは多いかと思いますが、万一の際を見越した“事故を起こした時の対処方法”も企業として事前に考え、新入社員に伝えておきたい項目です。
事故を起こしてしまったら直ちに警察へ連絡することは周知のことですが、「事故発生時の対応の流れ」「初動対応はどうするのか?」「対外的な対応などは誰が窓口となるのか?」などの方針を定めておくことが、有事の際における適切な判断へとつながります。
- 安全確認すべきポイントの共有
- 運行スケジュールの確認、指導
- 上司同乗による事故防止のためのアドバイス
配属が決まったらまず行いたいのは、オフィス周辺や主要営業ルートなど、同社の従業員が今まで運転してきた中で注意したい道路や交差点などがあれば、そういった情報を共有することです。新人にとっては、見通しの悪い交差点などをあらかじめ把握したうえで安全確認を行えるので、運転に対する不安が少しでも解消される効果が期待できます。
また、その日の訪問先や配送ルートなどのスケジュールを確認し、時間的に無理がないか、コース設定は問題ないかなどのチェックも一緒に行いたいですね。経験則のある上司からのアドバイスによって調整を行い、余裕をもったスケジュールで運行することができれば、心にもゆとりが生まれるかもしれません。
部署の状況によってはなかなか難しいかもしれませんが、新入社員が運転に慣れるまでしばらくは、上司が同乗したうえで実際の運転について都度ポイントの指導が行えると安心です。
このブログでも何度かお伝えしてきましたが、現在、交通事故原因の上位となっている運転中の携帯電話使用などの“ながら運転”。もちろん、同乗者がいる場合に行ってしまうことはないかとは思いますが、一人での運転デビューの際にも“乗ったら使わない”の意識を持って運転できるよう、同乗時にしっかりと指導しておきたいポイントです。運転中に着信があって意識がそちらに向いてしまわないよう、携帯電話は乗車時にドライブモードにする、画面が目につかないようカバンの中にしまう、といった点も都度声かけをして習慣づけできたらいいですね。
3.“社員”としてハンドルを握っているという自覚を
このように、この時期の新入社員には社会人として職場に慣れることに加え、営業車などを使用する場合、ハンドルを握る以上は安全運転を心がけてほしいと考えている企業様がほとんどかと思います。
もし事故を起こしてしまったら…。ドライバー自身の負傷はもちろん、相手がいる場合にはそういった事故対応なども発生してくるので、ベテランのドライバーであっても、冷静に対処することは難しいかもしれません。また事故による影響の範囲やダメージなども、個人で事故を起こしたときとは当然、異なってきます。
そういったリスクも早い段階で伝えておくことが、社員としての自覚を持った“安全運転の心”が定着してくるポイントになってくるかもしれません。
また、新入社員の運転デビュー後も、クルマにドライブレコーダーなどを設置して車両や走行状況の各データを取得し、社内で管理者が運転状況を把握できれば、双方にとっていざという時も心強いでしょう。
企業の状況に応じたベストな“新入社員教育”で、安全運転をサポートしていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
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