輸送を効率化する2つの手段|運行経路と運行スケジュールの最適化が課題

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

インターネット通販や越境ECなどの隆盛により、物流への新たなニーズが高まりを見せています。より早く、より正確に物を届けることは、物流業界に課せられた使命です。しかし、現実は深刻な人手不足で疲弊する現場からの声が絶えません。苦境を乗り切るためには、さらなる輸送の効率化を進める必要があります。効率化が求められる背景をとらえつつ、有効性のある手段について考えていきましょう。

【目次】
1.輸送の効率化が求められる背景
2.輸送最適化が遅れている理由
3.輸送を効率化する2つの手段
 3-1.車両の運行経路を最適化する(VRP)
  └1つの拠点から複数の納品先にモノを配る(SingleDepot型)ケース
  └複数の工場から複数のデポにモノを配る(MultDepot型)ケース
 3-2.車両の運行スケジュールを最適化する(VSP)
4.輸送効率化を実現するには
 4-1.輸送効率化のためのシステムとは
 4-2.輸送効率化をご検討の方へ
5.VRSPを最適化することが課題
6.輸送効率化へ向けて

 

1.輸送の効率化が求められる背景

輸送の効率化が求められる背景として、ネット通販市場の拡大や消費者の購買スタイルが変化したことが挙げられるでしょう。また少子高齢化による労働力は著しく減少傾向となり、物流現場における労働力の不足は特に深刻です。トラックドライバーは高齢化かつ人材不足が慢性化しており、大型トラックドライバー需要予測によると2020年には10万人の人材不足が見込まれているともいわれています。
現代の小売業の特徴としては、「在庫を抱えず、品揃えは多品目」という傾向があります。そのため、スーパーやコンビニでは、新しい商品を提供するために、配送単位を小さくし、その代わりに頻度を増やしているのです。このことがトラックの積載効率を悪化させており、時には6割未満になることもあります。さらに、ネット通販の急増により、宅配便の7割が通販関連の荷物で占められている状況です。輸送のニーズが増加し、輸送効率が低下する現状に対し、早急に対策が必要です。

 

2.輸送最適化が遅れている理由

輸送の効率化が急務とされる一方で、最適化が進まない理由とは何でしょうか。
例えば企業が社内輸送を行う場合、複数の工場から数十におよぶ支店に物を運ぶ「Multi-Depot型」であっても、効率化の実施は一筋縄ではいきません。往路で大量の物品を積んでいったトラックが、復路には荷物が空になるというムダはなかなか改善されない課題のひとつです。またこれに加え、物品の受け取りの時間指定や、業務時間内での受け入れ、稼働可能な車両数、積載可能な量などの制約条件の多いことも影響します。複数の条件を満たしたうえでに輸送ルートを設定する必要があることが、輸送最適化が遅れる要因の一つとなっているのです。

 

3.輸送を効率化する2つの手段

「物流業界」といっても、事業内容はさまざまです。輸送を効率化する方法については、各企業の事業に合わせた施策が求められます。しかし、どのような事業であっても車両の運行管理が最も根本的な課題となっていることは間違いありません。車両運行管理がスムーズにできれば人員を最小限に抑えることができ、ムダのない輸送が実現につながります。コストや時間を各段に削減できる可能性も高まるでしょう。ここからは、輸送を効率化するために有効とされる2つの手段についてご説明していきます。

3-1.車両の運行経路を最適化する(VRP)

運行経路の最適化、Vehicle Routing Problemの略語から、VRPと呼ばれています。これは配車計画問題とも言われるもので、多くの配送業者が悩んでいるテーマです。立ち寄り地点を最短ルートで結ぶことができれば、1台の車両を効率良く配置ができるため、車両台数を削減することにつながるでしょう。
しかし、複数の場所が点在しているときに最良の答えを出すのは、簡単ではありません。荷受けと輸配送行うような業務では、立ち寄り先の順番と立ち寄り地点の両者を考慮する必要があります。トラックの台数と各トラックへの割り当て方により、幾通りもの選択が出てくるのです。VRPの実施には、数理式を用いるケースが多いですが、毎日の運行すべてに正しいルートを探すのはかなりの難題となります。ここからは輸送ルートの選択についてケースごとに見ていきましょう。

●1つの拠点から複数の納品先にモノを配る(SingleDepot型)ケース

SingleDepot型とは、1つの拠点から複数の場所に輸送・納品を行う方法で「配送拠点~複数の顧客や納品先までの配送」を指します。限定された地域内で行われるため、狭い路地まで入れるよう、2トン程度の比較的小型の車両が使用されることが多いです。1台あたりのコストはそれほどかかりませんが、複数の車両が必要なため、トータルコストが大きくなりがちです。
効率を向上させるためには、積載する荷物の組み合わせと、巡回ルートの最適化がポイントとなります。毎日異なる数の荷物を違う場所に運ぶため、ルートを一律に決められないことが大きな問題です。

●複数の工場から複数のデポにモノを配る(MultDepot型)ケース

MultDepot型とは、社内物流でよく見られる形で、生産拠点~配送拠点までの輸送など複数の場所から複数の配送先に輸送する方法です。輸送範囲は、日本全国から海外まで対象が広く、10トン以上の大型車の利用が主流となります。1台あたりのコストが大きいことから、積載量をどこまで増やせるかがポイントです。
比較的一定ルートで走行できるため、最適なルートを一度見つけられれば長期に運用しやすい点はメリットでしょう。ただし、車体サイズが大きいため、地方道の場合は主要道路以上を選ぶ必要があるという制限があります。

3-2.車両の運行スケジュールを最適化する(VSP)

VSPとは、Vehicle Scheduling Planningの略語で、車両運行のスケジュールを最適化することです。拠点から配送先までの所要時間や走行距離、配送量と、利用する車両の台数の的確なプランニングによって、車両の数を押さえながら、配送先への需要を満たすことができるでしょう。車両台数が少なく、かつ移動先も限られているのであれば計画作成も簡単です。
しかし、配送の数が多くなればそれだけ車両数が増えるため、走行ルートの設計も複雑になります。貨物の容量制限や配送時間の制限、配送先の受取時間などの制限もあります。加えて、各ドライバーの負担をできるだけ均等にする必要があり、さまざまな要素を考慮する必要があるのです。運行スケジュールの最適化は、非常に重要ですが、作成に毎日何時間もかかっているようでは、逆に効率が悪くなります。

 

4. 輸送効率化を実現するには

これまで見てきたように、「VRP」「VSP」といった2つの手段を用いることで輸送効率を向上させられます。しかし、いずれの答えを割り出すのも人力では時間がかかり過ぎ、各要素についての制限を満たすのは非常に困難です。配送先が大量にある場合に、毎日プランニングをすることは現実的とはいえません。また、輸送の形態は、各企業によって異なり、どの会社にも適用できる数式を作り上げるのは不可能です。
計算式で根本解決することは、簡単ではないものの、輸送効率を上げていくためには、ルートと運行スケジュールの最適化は必須課題です。このジレンマを解決するために、おすすめしたいのが、VRP・VSPを実現できるシステムの導入です。人手によるプランニングとは違い、要素の取りこぼしがなく、法を遵守しながら最適化することが期待できるでしょう。

4-1.輸送効率化のためのシステムとは

輸送効率化を実現する方法として、動態管理システムの活用が有効です。車両の位置情報を把握し、ルートの記録を取ることが可能となるため、運行経路と配送計画の最適化まで一貫した対応ができます。動態管理システムでは、車載端末や携帯電話などにより、各車両との通信を介してデータの受け渡しが可能です。そのため、リアルタイムで位置情報が取得でき、また走行中のデータが保存されるためルート改善にもつながるでしょう。
拠点から配送先にトラックの現在地を知らせることもでき、輸送サービスの向上にもつながります。デジタコやドラレコなどと組み合わせて導入することも可能で、万が一のときの記録となるほか、危険箇所の把握や危険運転などのリスク管理にも活用できるのです。

4-2.輸送効率化をご検討の方へ

運送業界の企業の多くは、輸送効率向上に迫られています。人員が不足して業務が滞ったり、配送に時間がかかり過ぎて超過勤務が続出したりと、コスト面でも顧客満足度の面でも問題が増えていくことでしょう。早期改善に着手しなければ、事業運営の将来に悪影響を及ぼしかねません。ただ、VRP・VSPを自社で実施するのは、さらに業務負担となります。
ルート最適化もスケジューリングも、専門的な知識が必要となるうえ、日々の輸送すべてについて的確な解答を得るのは困難です。

  • 輸送の効率化の進捗が思わしくない
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上記のようなお悩みを抱えている方には、こちらの資料で輸送効率化の改善にぜひお役立てください。
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5.VRSPを最適化することが課題

ここではルートの最適化であるVRP、運行スケジュールの最適化であるVSPの重要性について説明してきました。この2つを同時に行うことが、輸送効率化を実現する最良の策といえます。VRSP (VehicleRouting Scheduling Planning)とは、前述のVRP ・VSPを合わせた考え方です。単独でも最適解を見出すのが難しいものであり、企業の事業内容によっては、かなり複雑化しているケースも多く見受けられます。
そのような事情から、最適化するのは容易ではありません。巡回先の数や受け入れ時間の制約などによっては、ムダなく車両を稼働させることが不可能に思えることもあるでしょう。VRSPの最適化が必要であることを理解していたとしても、実際に実施できるかは大きな課題のひとつといえるのです。

 

6.輸送効率化へ向けて

物流は社会において、人間にとっての血流のように不可欠なものです。つまり、物流が滞れば社会全体にダメージを与えかねません。しかし、現在の輸送業界には、たくさんの課題が山積みです。輸送効率化を推進し、課題を解決していくことが必要でしょう。VRSPの最適化は、企業にとって非常に難しい手法にも見えます。しかし、優れたシステムを選択することによって実現可能となる場合も多いです。現状に限界を感じているのであれば、システム導入について検討してみてはいかがでしょうか。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもCariotは、より便利に使っていただくための機能の開発を進めてまいります。
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