【Cariot活用事例】営業活動の可視化による生産性向上の取り組み
こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
営業の生産性最大化を実現するには、受注件数や成約金額などの成果目標の管理だけではなく、受注につなげるための活動量が十分なのか、その活動に非効率はないのかといった「営業活動量」という視点での数値管理も重要になります。しかし、受注件数や金額などの把握・管理がしやすいデータと比べて、「営業活動」は把握が難しく数値化しにくいデータです。
今回は不動産サービスD社様の事例を元に、営業の生産性向上にCariotがどのように活用できるのかをご紹介します。
業種:不動産サービス
車両用途:営業車両
課題:営業スタッフの生産性向上
1.Cariot導入の経緯
~車両管理の効率化という顕在化した課題~
D社様は、住宅リフォームをはじめとする不動産サービスを全国で展開されています。
主に車両はお客様先への訪問に使用されていますが、車両の管理体制が確立できていませんでした。そんな現状に鑑みて、車両管理フローの確立や管理業務の効率化に取り組む必要があると考え、Cariotの導入を決定しました。
同社では業務用の社有車を保有していますが、一部の営業所では社有車に加えて、営業スタッフの私有車を業務に使っているケースもありました。そのため、管理部門では車両情報の一元管理が難しく、どの社員が業務に私有車を使っているのかが把握できていないという状況に陥っていました。
そこで、Cariotに車両を使用する営業スタッフ情報とそのスタッフに紐づく車両情報を登録して管理することで、どのスタッフがどの車両を使っているのか、その車両はいつ・どのくらい使用されたのかのデータを取得できる体制を整えました。
上記の取り組みによって、顕在化していた「車両管理の効率化」という課題については一定の解決に至りましたが、Cariotが取得できるデータは営業部門が抱えている課題にも活用できるのではないか?という声が社内から上がってくるようになりました。
2.導入時の課題と達成したいこと
~Cariot運用によって見えてきた潜在的な課題「営業生産性の向上」~
- 営業スタッフの活動状況がわからない
- 営業スタッフがどういった訪問活動をしているのかわからない
- 営業スタッフの業務を見える化したい
- 効率的な訪問活動を定義し、売上アップにつなげたい
D社様の主な取引先は個人のお客様が多く、かつ各営業所の担当エリアが広いため
- 「営業訪問を効率的に行えているのか?」
- 「そもそも効率的な訪問とはどういったものか?」
という懸念や疑問を持ちながら、その解をどうしたら見つけられるのか分からないという状況でした。
上記のような状況に対して、同社は営業業務フローとCariotで取得したデータを照らし合わせながら、どの業務を改善するとどのくらいの成果が期待できるのか、どこがボトルネックになっているのかという視点で分析を実施しました。
その結果、既存顧客への訪問活動の効率化を実現することが最も効果が高いのではないかという仮説を立てるに至りました。
3.課題に対する打ち手
~営業活動を可視化し打つべき施策を見極める~
D社様はまずは営業活動の見える化を実現し、その上で非効率要因を特定し、仮説検証や改善策の検討を進めることにしました。
- 営業スタッフの訪問件数・訪問時間を可視化する
- 顧客情報をCariotに登録し、エリア内の近接顧客を可視化する
- 走行データの分析による非効率要因を特定する
- 個人別の訪問件数
- 個人別の移動時間率
- 顧客優先度別の訪問率
指標となるデータを取得し分析するために、同社にはCariotの以下の機能を活用いただきました。
・走行履歴
いつ・どこを・どのような速度で走行し、どこで・どれくらいの時間滞在したかを振り返って確認することができます。実際の走行ルートを地図上でも確認することができます。
・走行データ分析
複数の走行履歴を地図上で比較することで、無駄な走行・活動エリアの重複の発見することができます。
・駐車イベントマップ
車両が待機・滞留している場所を地図上で確認することができます。
車両名、対象時刻、駐車時間での絞り込みも行えます。
・レポート作成
自動で取得した各種データを使用して、Cariot上で担当者別・営業所別などさまざまな切り口で集計レポートを作成することができます。
・ダッシュボード
レポート作成機能で集計したデータをグラフ化し、まとめて表示できます。
データは随時更新され、常に最新の情報を見ることができます。
4.指標に対する分析結果
~効率的な訪問活動によって有効稼働率を上げる~
課題に対するモニタリング指標を分析した結果、改善につなげるために取るべき施策も見えてきました。
<効率的な訪問計画による生産性向上>
個人別の平均訪問件数と個人別受注件数のクロス集計を実施した結果、訪問件数と受注件数に相関関係がみられました。
また、顧客優先度別の訪問状況のデータと営業スタッフの受注状況のクロス分析を実施したところ、売り上げ上位者は優先度の高い顧客への訪問率が高いという傾向を確認することができました。
この結果をもとに、訪問件数および受注件数いずれも多い営業スタッフへのヒアリングを実施したところ、トップパフォーマーは、進行中の商談訪問にあわせて近隣で優先度の高い既存顧客への訪問をルートに組み込んで、効率的な営業活動を実施していることがわかりました。このようなトップパフォーマーの取り組みを横展開していくことで、全社的な売上UPにつながる見込みがありえます。
さらに、前述の「課題に対する打ち手」として実施した「顧客情報をCariotに登録し、エリア内近接顧客を把握する」取り組みの実施により、その日の訪問先のエリア内の把握が容易になりました。その結果、効率的な顧客訪問計画を立てられるようになり、さらなる生産性向上の期待ができます。
<担当エリアの最適化による訪問効率UP>
走行ルート分析機能の活用により、各営業スタッフの活動状況の見える化も実施したところ、営業スタッフ間で訪問エリアの重複が発生していることがわかりました。
走行ルートの重複が発生しないように担当エリアの見直しを行うことで、限られた人員で効率的な訪問活動が実現できるようになります。
5.今後の展望
~「今」のデータから「未来」の課題と施策を見つけていく~
D社様がCariotを導入した当初の課題は車両管理業務の効率化でしたが、Cariotに蓄積された走行データの分析から、営業活動の効率化という課題とその打ち手の発見につながりました。現在、同社は改善インパクトが大きいと見込んでいる「既存顧客への訪問活動の効率化」への施策を実施されています。
生産性向上のためには、同社のように「今」のデータの取得・分析を通じて取り組むべき課題と施策を明確化し、その成果の分析を実施することでさらに深い課題を発見していくという繰り返しが非常に重要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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