新入社員に必要な運転にまつわる指導と体制づくりとは
【チェックリスト付き】動態管理システムの選び方
「動態管理システム」の導入メリットをはじめ、自社の課題に最適なサービスの選び方やシステム選定のポイントについてご紹介しています。これからシステムの導入を検討されているご担当者様におすすめの資料です。
無料でダウンロードこんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
新年度を迎え、各企業においては新入社員研修などを通じて人材育成を行う時期となりました。
それに加え、車両を利用し業務を行う企業・事業所においては安全運転や訪問先へのルート共有など実践的な指導も行いますが、指導の効果が見えない、指導の効果的な進め方がわからないなど、さまざまな課題に直面することもあるかもしれません。
今回は、効果的な運転にまつわる指導のポイント、ドライバーの安全確保と車両管理の両立に役立つCariotの機能をご紹介します。
1.新入社員への「安全運転指導」のポイント
1-1.新人教育は「運転業務に不慣れ」であることを前提に
「安全運転指導」とは、安全運転管理者がドライバーに対し行うべき法定業務のひとつであり、指導の徹底は、交通事故を起こさないために必要不可欠なものです。
車両を利用し業務を行う企業・事業所においては、「新人ドライバーは事故を起こしやすい」という可能性を考慮しながら「安全運転指導」を実施しているのではないでしょうか。
安全運転管理者が新入社員の運転業務に対して抱く不安の原因として「運転に不慣れであること」が挙げられます。この他にも、運転免許証を保有していることが即戦力であることの証明にはならないことや、電車等の公共交通機関の利便性が高い地域ではペーパードライバーである可能性もその原因になり得ます。
しかし、新入社員もまた、運転歴が浅いことや業務全般に不慣れであることから、多くの不安を抱えながら業務を行なっています。
このことから、「安全運転指導」を行う際は、運転業務の基本動作や法令遵守加え、新人ドライバーが安心して業務を行うことができるよう配慮しながら指導を行うことが求められます。
上記に加え、新卒で入社した社員の場合は、日常的にスマートフォンやタブレットの利用頻度が高く、マップ機能やナビ機能・メッセージ通知などが常に身近にあるため、運転中に注意がそれやすくなる可能性を念頭に置きながら指導を行う必要があります。
過去のCariotブログで「『ながら運転』の厳罰化」についてお伝えしました。
「ながら運転」は、スマートフォンやタブレット、カーナビなどの通信機器等を注視することで、前方不注意・脇見運転が発生します。これは、重大事故を引き起こす原因となる大変危険な行為です。
業務を安全に行うためには、運転の基本的な交通ルールの確認と実施・危険予測の徹底が必要であると意識づけることが大切です。
- 安全確認・危険予測の重要性の周知徹底
- 運転業務になれるまでは随時サポートできる体制づくりをしておく
- 周囲から運転マナーを見られていることの意識づけを行う
- ヒヤリハットの周知と徹底
- 基本的な交通ルールと法令遵守の徹底
など
- 安全確認の対象を具体的に指導
- 各ドライバーの特性に合わせた指導
- 実際の走行ルートに基づいた指導
- 余裕のある訪問スケジュール/運行計画の作成
- 運転に集中できる環境づくり
など
新入社員より運転歴が長いことが多い中途採用のドライバーに対しても、同様の教育と配慮が必要です。
その理由として、自家用車の運転歴は長い場合でも、業務車両の運転が初めてのケースや、経験者であっても効率のよいルート設計・適正な時間配分には不慣れである可能性が挙げられます。
上記のことから、ドライバーの運転歴や年齢ではなく、新しく入社したドライバーは総じて「業務と運転が共に不慣れである」ことを前提に、実効性のある「安全運転」指導の実施と徹底を行いましょう。
1-2.事故発生率は20代が高い?データで見る交通事故
「安全運転指導」を実現するためには、「どのようなシーンで事故が起きているか」や、交通事故の発生原因などを具体的に把握し、指導に活用することが大切です。
内閣府が2019年(令和元年)の道路交通事故の状況をまとめた「令和2年交通安全白書」によると、交通事故発生件数、死者数・負傷者数はともに減少傾向にあり、15年連続で減少しているとしています。しかし、交通事故の発生や死傷者がゼロになったわけではなく、その発生にはあらゆる原因があります。
はじめに、「人口10万人あたりの交通事故負傷者数」を年齢層別に見てみましょう。
交通事故負傷者数の割合は20〜29歳が最も多く、次いで30〜39歳、40〜49歳と続き、年齢層が下がるほど負傷者数の割合が高いことがわかります。
画像:内閣府「令和2年交通安全白書」
また、自動車や原動機付自転車などの運転者が第1当事者となる死亡事故の発生件数は、16~19歳(11.4件)が最も多く、80歳以上(9.8件)、70〜79歳(3.9件)、20〜29歳(3.8件)となっており、現役世代の事故による負傷者数が最も多い年齢層は、20代との結果が出ています。
次項では、引き続き同白書から具体的な事故の発生シーンと、事故を起こさないために必要なアクションについてお伝えします。
※「令和2年交通安全白書」の詳細は、内閣府HPにてご確認ください。
1-3.死亡事故発生原因第1位は「安全運転義務違反」
企業・事業所としては、自社のドライバーが第1当事者となる交通事故の発生は避けなければなりません。
事故を防止するためには、事業用車両が「どのような原因/状況」で事故が発生しやすいかを把握することが役立ちます。
「令和2年交通安全白書」 によると、交通事故の負傷者数を状態別では「自動車乗車中」(62.6%)が最も多くなっています。
また、事故による死亡者数は、歩行中(36.6%)が最も多く、次いで自動車乗車中(33.7%)となっています。
「第1当事者別交通死亡事故発生件数」を見ると、自家用車が最も多く全体の66.1%を占めており、その内、貨物車は15.8%となっています。
また、貨物車・乗用車を合わせ事業用車両の死亡事故の発生は10.4%との結果が出ています。
画像:内閣府「令和2年交通安全白書」
「交通死亡事故発生件数」を第1当事者・法令違反別に集計した結果では、半数以上が「安全運転義務違反」が原因であることが明らかになりました。
画像:内閣府「令和2年交通安全白書」
ここで注目すべきは、「交通死亡事故の発生原因」の内訳です。
上記の図にも記載されていますが、車両の操作ミス、集中力や注意力の低下、脇見運転など、運転時の基本的な交通ルールを怠ることが死亡事故を引き起こす要因となっていることがわかります。
これらの結果から、事故を未然に防ぎ安全運転を行うためには、ドライバーに対する法令遵守の徹底はもちろんのこと、管理者がドライバーの違反行為や事故につながりかねない危険運転の有無を正確に把握し、的確な指導を実施することが重要であるといえるのではないでしょうか。
1-4.事故削減をサポートする「運行管理のデジタル化」
前項で、交通事故の発生は「運転時の基本的な交通ルール」を怠ることが原因となるケースが多いことをお伝えしました。
しかし、管理者側から各ドライバーが運転中に交通ルールを遵守しているかなど、現場の状況を正確に把握することは難しいことも事実です。
このような課題を解決するためのひとつの方法として、走行中のドライバーの挙動をリアルタイムで確認できる「車両管理システム」の導入があります。
画像:国土交通省「適切な運行管理と安心経営のためのICT活用ガイドブック」
システムを導入することで、ドライバーが急発進・急ブレーキ・速度超過など、事故につながりかねない車両操作を行った場合は即座に記録されます。
これらの取得したデータをもとに、各ドライバーの特性に合わせた具体的な指導ができるようになります。
※業務のデジタル化・DX推進による事業用自動車の事故削減に向けた取り組みについては、過去のCariotブログでもご紹介しています。こちらもぜひ、ご覧ください。
2.新人ドライバーが安心して業務を行うために必要な仕組みづくりを
2-1.ルートセールスに必要な時間管理とルートの熟知設計
ルートセールスやルートサービスでは、訪問先へのルート設定、商談や商品の納品・回収を効率よく行うことが求められます。
業務効率化と安全運転を同時に実現するためには、「どのようなルートで/どの順番で回るか」など、事前に適正なルート設計と時間配分を考えることも業務の大きな割合を占めています。
しかし、新人ドライバーは経験に基づく最適なルート選択ができない、または困難であることが考えられます。
そのため、的確なルート設計と時間配分ができず待機時間が長くなったり、それとは逆に時間が足りなくなったりすることでスピード超過が発生し、事故の発生原因になることも考えられます。
新人ドライバーは、業務に慣れるまでに一定の時間を要します。
企業・事業所は上記の点を考慮に入れ、事前にムダな時間を生み出さないようルート設計を行い、商談などに遅れが出ないよう用心しなければなりません。
また、現場で問題が起きた場合は即時にフォローできる仕組みづくりを行う必要もあります。
このような課題に対しても、リアルタイムで現場の状況を把握でき、何か問題が起きた際にも素早く指示を出すことができる「車両管理システム」の活用がおすすめです。
画像:国土交通省「適切な運行管理と安心経営のためのICT活用ガイドブック」
また、新人ドライバーが業務に慣れひとり立ちした後は、時間管理をドライバー自身に任せることになります。
管理者側からドライバーが「今・どこで・何をしているか」を把握できない場合、業務のブラックボックス化につながるという懸念があります。
現場の状況を把握できない状態が続くと、問題点の発見が遅れたり、改善指導がしにくくなったりする原因にもなり得ます。
それらへの対策としても、ドライバーの状況をリアルタイムで取得し可視化できる「車両管理システム」は効果を発揮します。
これらのことから、「車両管理システム 」の導入は、安全運転と営業活動の効率化を同時に実現するために欠かせないツールといえるのではないでしょうか。
2-2.車両管理システム最大の特徴は、業務の「見える化」と「データ活用」
「車両管理システム」を活用する最大のメリットは、業務を「見える化」できることにあります。
業務内にあるムリ・ムダの発見や課題を正確なデータとして取得・抽出することで、実効性のある改善策の立案を可能とします。
例えば、ドライバーは、毎日同じルートを回るケースの他、日ごと・曜日ごとにルートや訪問先・業務内容が異なることがあります。
訪問先が随時、変更される場合、新人ドライバーが「どの順番で、どこに訪問するか」を正確に把握し判断することは容易ではありません。
その際、「最適なルートの作成」をサポートする機能を備えた「車両管理システム」を活用することで、それらの課題が解消できます。
「車両管理システム」は、車両の正確な走行データや履歴から、より効率のよい走行ルートを導き出すことが可能です。
そのため、ドライバーのスキル・経験によってバラツキが生じやすく、生産性向上を達成する際、課題になりやすい「走行スキルの平準化」が可能です。
画像:画像:国土交通省「適切な運行管理と安心経営のためのICT活用ガイドブック」
また、システムを活用し業務を平準化することは、自社の誰もが一定の質を保ちながら的確に業務を行うことができる企業であると証明することにもつながり、サービス向上や顧客との信頼関係の醸成にも役立ちます。
業務全体を「見える化」することで現場のさまざまな課題を解決に導く「車両管理システム」の導入は、さらなる業務効率化・生産性・利益率向上の実現をサポートするカギといえます。
3.Cariotで実現する「ベテランも新入社員もムラのない体制づくり」
本項では、モビリティ業務最適化クラウドCariotのあらゆる機能の中から、いかに安全で効率的に訪問先を訪れることができるか、また、誰もが同じ質で業務を行うことができる体制づくり、素早いフォローアップを可能とする体制づくりに役立つ機能をご紹介します。
■「今」を見守る体制づくり
・エリアマップ
GPSを用いて、車両の位置情報をリアルタイムで取得することで、車両が「今・どこにいるか」が把握することができる機能です。
効率のよい動態管理をサポートする他、ドライバーと管理者間で行われる電話確認のやり取りの手間を大幅に削減します。
・DriveCast
本機能で発行されるURLを共有することで、車両の現在地を訪問先や納品先など社外の関係者と共有できる機能です。スマートフォンやタブレットでの確認も可能です。
車両の現在地だけでなく、車両の到着予測時間もひと目で確認することがができ、顧客に対して安心をご提供できます。
■走行履歴と走行ルートの把握・確認
・走行履歴/走行データ分析
車両が走行するだけで詳細な走行履歴の記録ができる機能です。
「いつ・どこを・どのような速度で走行したか」や、「どこで・どの程度の時間、滞在したか」を振り返って確認することができます。
本機能をご活用いただくことで、ムダな走行をしていないか、長時間滞在している箇所がないかの確認ができます。
・日報・月報の自動作成
日々、作成が必要な日報や月報の作成を自動で行う機能です。
集計作業にかかる時間を大幅に削減でき、事務作業の業務負担も軽減します。総走行時間・総走行距離も自動で集計されます。
■各種通知機能
・危険運転検知
急加速・急減速・急ハンドルや速度超過や最高速度など、ドライバーの危険運転を検知する機能です。
危険運転が発生したタイミングで直ちに具体的な数値をもとにした安全運転指導ができ、事故の防止・削減に役立ちます。
・到着/出発通知
あらかじめ設定した拠点に車両が到着・出発したことを検知し通知する機能です。常に画面を見なくとも情報を知ることができ、効率的な車両管理が実現します。
・遅延通知
走行中の車両の到着予定時間と現在の状況を比較することで、車両の遅延を検知・通知する機能です。設定により、複数の通知先に知らせることも可能です。
・車両予約機能
クルマの“予実管理”をリアルタイムに「見える化」します。クルマの空きを正確に把握できることは稼働率の向上につながります。
※本記事の情報、及び画像は、記事作成時点のものです。詳しくは最新の情報をご確認ください。