「国土交通グリーンチャレンジ」が公表〜施策の方向性と物流業界が行うべき対策とは〜

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

2021年7月6日、国土交通省は重点プロジェクトとして「国土交通グリーンチャレンジ」を取りまとめ、公表しました。
同プロジェクトは、2050年カーボンニュートラル宣言や、気候変動による危機への対応などを推進し、グリーン社会の実現に向けた戦略的な取り組みを実施するとしています。
また、物流業界が対応すべき項目として、次世代自動車への転換・物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、持続可能なサービスの構築・展開を掲げています。

今回は、「国土交通グリーンチャレンジ」の概要と、それらの実現に向けてCariotができることをお伝えします。

 

1.「国土交通グリーンチャレンジ」とは?

国土交通グリーンチャレンジ」とは、グリーン社会の実現に向けた重点プロジェクトです。
同プロジェクトでは、2050年の長期を見据えつつ2030年度までの10年間に重点的に取り組む、分野横断・官民連携政策の方向性や具体的な取り組み内容を示しています。

画像:国土交通省「国土交通グリーンチャレンジ概要

同施策が策定された背景には、国際的社会全体で取り組みが推進されているSDGsや、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速していることがあります。

過去のCariotブログでもお伝えしましたが、SDGsや脱炭素などの環境対策は、経済的な制約として捉えられることもあります。
しかし、世界的な視点では、社会経済を大きく変革し、投資の促進・生産性向上など、産業界の構造を転換し成長させるための契機として重要であると認識されています。

これらのことから、国内における「グリーン成長戦略」は、国内産業の競争力を強化し、経済と環境の好循環を生み出すために必要な戦略的取り組みとして位置づけられ、実施されます。

環境問題への取り組みは日本国内でも進んでいますが、激甚化・頻発化傾向にある災害の発生、気候変動への対応など、2020年10月の臨時国会で表明された政府目標「2050年カーボンニュートラル宣言」で掲げられた目標の達成も視野に入れなければなりません。
同施策では、あらゆる分野で脱炭素化に向けた具体的な目標を提示し、戦略的なストックマネジメントを強化する方針が示されました。
 

2.「国土交通グリーンチャレンジ」の概要

国土交通グリーンチャレンジ」の基本的な取り組み方針は、下記のとおりです。

<国土交通グリーンチャレンジ>

  1. 省エネ・再エネ拡大等につながるスマートで強靱なくらしとまちづくり
  2. グリーンインフラを活用した自然共生地域づくり
  3. 自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築
  4. デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開
  5. 港湾・海事分野におけるカーボンニュートラルの実現、グリーン化の推進
  6. インフラのライフサイクル全体でのカーボンニュートラル、循環型社会の実現

(引用:国土交通省「国土交通グリーンチャレンジ」)

上記6項目の内、物流業界が特に対応すべき項目は下記の2点です。

<物流業界が対応する項目>
3.自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築
4.デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開

物流に携わる民間企業・事業所は、環境問題への本格的な取り組みを実施することが求められています。

2-1.物流業界に求められる具体的な取り組み

本項では、「国土交通グリーンチャレンジ」で物流業界が取り組むべき項目の概要と、具体的な取り組みについてお伝えします。

■物流業界に求められている取り組み
3.「自動車の電動化に対応した交通・物流・インフラシステムの構築」の課題と方向性

輸送部門においては、自動車からのCO2排出量が86%を占めています。これは日本全体の16%にあたります。
自動車からのCO2排出量を削減するためには、電動車(電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車)への転換も効果的とされています。
しかし、次世代自動車(電動車の他、グリーンディーゼル車、CNG自動車等を含む)の新車販売台数は40%程度にとどまっており、ガソリン車・ディーゼル車からの転換が遅れていることが、大きな課題となっています。

同プロジェクトでは、関連省庁と連携を図りながら次世代自動車の普及促進・支援策の強化を行います。
同時に、電気自動車(EV)に対応した充電施設・走行中の給電システム技術の開発支援など、新たなモビリティ社会を構築するための交通・物流・インフラシステムの整備を行うことで、CO2排出量削減目標達成への対策を強化するとしています。

また、自動走行・デジタル技術の電動車への実装等の新技術活用や、車両の小型化、運行経路や頻度の見直し等の新たなサービスなど、多様なニーズを組み合わせることで、CO2排出量削減と移動の活性化を同時に実現することなどを目標として掲げています。


画像:国土交通省「国土交通グリーンチャレンジ概要

4.「デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開」の課題と方向性

日本全体におけるCO2排出量の約2割を占めている運輸部門のCO2排出量削減目標実現策は、次世代自動車の導入だけではありません。

物流業界の課題である人手不足解消・生産性向上を解消すると同時に、脱炭素化を図り持続可能なサービスの維持・展開を行うためには、AI・IoT・ビッグデータなどデジタル技術を活用した物流DXを推進する必要があります。関係者間の連携によって物流効率化を行わなければなりません。
また、モーダルシフトや共同配送によるサプライチェーン全体の効率化・強靭化、自動運転技術の活用・促進策もCO2削減効果が見込まれることから、同施策においても推進されます。

国土交通省は、自動車から排出されるCO2削減や環境負荷低減のため、モーダルシフトや共同配送、輸送網の集約などの物流効率化政策を推進しています。
その中でも、特にモーダルシフトは環境負荷低減効果が見込めることから、物流総合効率化法に基づき、補助金制度を用意するなど、本格的な推進に乗り出しています。

物流企業・事業者が、物流のグリーン化に向けた取り組みを着実に実施し、成果を挙げるためには、「PDCAサイクル」を強化し、随時、取り組み内容のチェックを行いながら具体的な対応を行うことが求められています。


画像:国土交通省「国土交通グリーンチャレンジ概要

2-2.環境課題にも効果的な物流DX

前項でお伝えした「課題と方向性」をまとめると、物流業界が具体的に取り組むべき内容は下記のとおりになります。

  • 物流DX推進による業務効率化・生産性向上
  • ガソリン車・ディーゼル車から電動車への転換
  • 物流MaaS(物流分野における新しいモビリティサービス)の観点から共同配送等・再配達削減による輸送の効率化
  • 気候変動への対応としてBCPの策定、代替ルート、関係者間での事前調整
  • 新型コロナウイルス感染症を契機とした非接触・非対面型業務の推進

など
(「国土交通グリーンチャレンジ」から抜粋)

Cariotブログでもたびたびお伝えしていますが、国の物流政策の指針となる「新総合物流施策大綱(2021年度〜2025年度)」においても、物流DXのさらなる促進が明記されました。

関連省庁が複数の施策で物流DX推進を掲げる理由は、少子高齢化や労働人口減少問題を解決しながら環境問題を解決することです。持続可能な社会の実現につながる重要なカギとして「DX」を認識し、位置付けていることにあります。

国の施策に従いDXを行うことのメリットは、主に下記のものが考えられます。

  • デジタル化・機械化による業務の省人化・人手不足の解消
  • 企業・事業所の生産性・利益率の向上
  • 長時間労働の是正
  • 交通・物流の維持と発展
  • CO2排出量の削減

など

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う社会・経済活動の変革ニーズや「新たな日常」への対応が求められていることから、国内においてもテレワークの実施や、デジタル化・機械化による非接触・非対面型業務への転換・業務の省人化など、DXへの取り組みは進んでいます。

一方で、2021年6月に公表された「令和3年版国土交通白書」によると、日本のデジタル競争力は、世界と比較すると低いことが明らかになりました。また、国内でDXに取り組む企業の多くが部分的な取り組みにとどまるなど、本質的なDXとはいえない状況にあり、従来型の商慣行から脱却できずにいることも判明しました。

社会・経済を支える物流の維持・発展のために重要な「物流DX」は、環境問題に限らず、総合的な観点から早急に取り組むべき課題です。

2-3.グリーン化・DX推進に活用できる支援策

民間企業・事業所が次世代自動車への転換や物流DXを推進する際、設備投資等が必要になることも多いでしょう。しかし、投資額によっては対応が難しいケースも考えられます。

このような課題に対し、関連省庁はさまざまな支援策を打ち出しています。
国土交通省は2021年7月、電気自動車や燃料電池自動車を活用し、各地域で多様な交通サービス展開等を行う事業者への車両の導入費用を補助する「地域交通グリーン化事業」において、15事業者への支援を決定し、公表しました。

この他にも、関連省庁はDX推進に向けたIT導入補助金税控除など支援策を設け、環境対策やDX推進を行う企業・事業所の取り組みを後押ししています。
複数の支援策がある今が、物流DXを推進し物流業界の課題を解決に導く好機です。

画像:経済産業省「令和3年度(2021年度)経済産業関係税制改正について

モビリティ業務最適化クラウドCariotは、経済産業省が推進する「IT導入支援事業」のIT導入支援事業者に認定されました。Cariot導入時に、最大450万円の補助金を受け取ることができます。
この機会に、モビリティ業務最適化クラウドCariotを検討・導入していただき、業務効率化・生産性向上をサポートするさまざまな機能をご活用ください。
 

3.グリーン物流を実現するためにCariotでできること

環境面に配慮した物流の構築・維持に向けて、DXの必要性・重要性は認識しているものの、「どこから手を付ければよいかわからない」、「DXに取り組んでいるが効果が見えない」などのお悩みを抱えている企業・事業所の方もいらっしゃいます。

モビリティ業務最適化クラウドCariotでは、DXへの取り組みを行う皆様の悩みを解決に導くお役立ち資料や、さまざまな機能をご用意しています。

■物流DXに取り組みたいが、どのサービス・機能を選んだら良いかわからない方へ

■積載率の向上を図りたいが、何がどの車両に積まれているのか把握が難しいと感じている方へ
・配送計画/荷量管理機能

「どのような順番で、いつまで目的地に到着すべきか」という配送計画を作成できる機能です。配送計画に沿って「どこまで配送したか」の確認も可能です。
「荷量管理」機能をご利用いただくことで、予定通りに積荷が配送されているかの把握、車両の積載率が分析できます。


■輸送ルートの最適化に取り組みたいが、全車両のルートを把握するのが大変だと感じている方へ
・走行データ

いつ・どこを・どのような速度で走行し、どこで・どの程度の時間滞在したかを振り返って確認できる機能です。車両が実際に走行したルートを地図上で確認することもできます。

・走行データ分析(重ね合わせ)機能
地図上で複数車両の走行履歴を比較・分析できる機能です。地図上で複数の走行データが表示できます。それらのデータをまとめて分析することで、非効率な走行・活動エリアの重複の発見・改善につながります。

この他にも、Cariotは物流における業務効率化のための機能を多く揃えています。こちらの資料にまとめていますので、ぜひご一読ください。

 
 
※本記事の情報、及び画像は、記事作成時点のものです。詳しくは最新の情報をご確認ください。

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