【倉庫・3PL活用事例】輸送状況を把握して遅延発生時にも迅速に対応

Cariotで実現する遅延対策と位置情報の共有

自然災害など緊急事態において、配送スタッフの安全確保と物流網の速やかな復旧を行うには、車両の位置情報の把握が重要になります。平時から緊急事態に備える上で考慮すべきポイントについてご紹介します。

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こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。

効率的な物流業務を実現するには、配送拠点や保管倉庫、輸送車両およびドライバーの確保といった設備や人的資産の整備が必要不可欠です。しかし、これらのインフラ整備のためには多大なる費用と時間がかかります。一部の荷主企業では、物流業務全般を外部の企業に委託することで効率的な物流網を確立し、主力事業に注力する戦略を取っています。
荷主企業の物流業務全般を請け負うサード・パーティー・ロジスティクス (3PL)事業者は、荷主企業の事業活動が滞りなく行えるように、計画に沿った輸配送が求められます。さらに調達や生産物流での幹線輸送と販売物流におけるエリア配送では、使用する輸送車両や委託先運送業者が異なるなど、調整が必要な関係者が多くなります。

今回は、国内外での調達・生産から回収までの総合物流ソリューションを提供しているT社様の事例を元に、Cariotを活用した輸送状況の把握と遅延への迅速な対応についてご紹介します。

<事例概要>
業種:総合物流サービス
車両用途:物流車両
課題:車両の現在地の把握と到着時間の確認

 

1.Cariot導入の経緯

1-1.到着時間のズレによる後工程への影響

T社様は、調達物流・生産物流・販売物流さらに回収・リサイクル物流といった物流工程を荷主企業に代わってトータルで対応しています。荷主企業に代わって出荷や発送、保管を請負う以上は、製造・販売計画に沿った正確な業務が求められます。仮に調達物流の過程で、部品や素材の到着時間に遅れが生じた場合、荷物の到着を待つ工場側での製造工程に影響が及びます。ひいては顧客の販売計画にも影響を及ぼし、売上への打撃にもつながってしまうこともあり得ます。
同社では、到着予定時間に遅れが生じた場合、拠点間での荷物の積み替えや、エリア別の小口配送車両の切り替えなどの対応に多大な工数を割いていました。各拠点の配車担当者は、計画どおりに車両が到着しない場合は、該当車両のドライバーへの確認や、到着予定時間に対応可能な車両を確保するといった業務に忙殺されていました。

1-2.複数のステークホルダーとの連絡業務の負担

3PL事業を展開している同社の場合、遅延発生時の連絡業務も多岐にわたります。
発注元である荷主企業の営業担当者に加えて、荷物の到着を待つ製造部門の担当者もしくは販売部門の担当者への連絡が求められます。
また、同社の各物流拠点の配車担当者や出荷担当者との調整も必要になります。遅延の状況によっては当初予定していた車両への積み込みができないケースも発生するため、その場合は運送事業者との調整も必要になります。1件の遅延が発生しただけで、社内外の複数の関係者との連絡・調整が必要となり、他業務にしわ寄せがくるという悪循環に陥っていました。

車両の位置情報を把握し、遅延発生時に迅速な対応をとるために動態管理システムを導入するべきだと判断した同社は、Cariotの以下の特長を評価して導入を決定しました。

<Cariot導入の決め手>

  • 車両位置情報の更新が3秒に1回と他社と比較してリアルタイム性が高い
  • 位置情報や到着予測時間を社外関係者にも共有ができる
  • 配送実績のデータの蓄積と予実分析ができる

 

2.導入時の課題と達成したいこと

2-1.位置情報を取得し遅延発生時に備えたい

T社様がまず解決したい課題は、ドライバーとの連絡に頼らずに各車両の位置情報をリアルタイムで把握できるようにしたいという点でした。
その上で、目的地に計画どおり到着できるのか、遅延の可能性のある車両はどれかを随時確認することで、遅延発生時に迅速に対応できる体制を整えたいと考えていました。
さらに同社では1台の輸送車両に複数の荷主の荷物を積んでいたり、荷物ごとに次の目的地への配送日時が異なっていたりするケースもあります。そのため、遅延が発生している車両がどの荷物を積んでいるのか、遅延によって影響を受ける取引先はどこかを把握した上で、対応を進める必要があります。

<Cariot導入前の課題>

  • 車両の位置情報の確認をドライバーとの電話連絡に頼っている
  • 遅延発生時の関係者への連絡業務に忙殺される
  • 遅延している車両の積荷の把握に時間がかかる

2-2.現在地と到着時間を把握するためのCariotの機能

車両のリアルタイム位置情報の把握と遅延発生時の迅速な対応を実現するために、同社はCariotの以下の機能を活用しました。

・エリアマップ
エリア機能のひとつである「エリアマップ」では、地図上で車両が今どこにいるかの位置情報をリアルタイムで確認できます。
本機能を利用することで、ドライバーへの電話連絡を行わなくとも車両位置の確認ができるため、顧客からの問い合わせの度にドライバーに連絡を入れる必要がなくなります。

・到着予測
エリア機能には事前に設定した走行ルートをもとに、車両の到着時刻を予測する「到着予測」機能も備えています。
車両の到着時刻を画面上で簡単に確認することができ、「いつ到着するのか」という顧客からの問い合わせ対応をスムーズに行えるようになります。

・到着・出発通知
事前に設定した拠点に車両が到着・出発したことを検知してメールで通知する機能です。
管理者は車両の到着/出発に関する情報を自動で知ることができ、計画より早く到着していないか、遅延が発生する可能性はないかを確認することができます。

・DriveCast
Cariotのアカウントがない外部の関係者とも、車両の位置情報や目的地への到着予定時間が共有・確認できる機能です。
送信するURLは、パスワード設定・公開時間帯の制限・配信開始や終了日時の設定も可能です。

さらに「DriveCast Search」を活用することで、車両単位だけでなく荷物単位での位置情報や到着時間を確認することができます。
荷物の送り状番号や取引先番号などで車両を絞り込むことができるので「取引先A社向けの荷物Bを運んでいる車両」の位置情報と到着時間を社内外の関係者に共有することができます。

・配送計画
「どのような順番で・いつまでに・どこに到着すべきか」という配送計画をCariot上で作成できます。作成した配送・訪問計画に従い「どこまで配送・訪問したか」の確認も可能です。
配送計画機能には、遅延が発生した場合に、作成した配送計画との差分を検知し遅延アラートをメールで送信する機能も備えています。
ドライバーから連絡を受ける前に遅延の発生が検知できるため、社内外の関係者への連絡・調整を素早く実施できます。


 

3.Cariot導入の効果

3-1.遅延の検知で迅速な配車計画の見直しが可能に

Cariotの導入でT社様は車両の現在地および到着時間が把握できるようになりました。配送状況と遅延の有無をリアルタイムで確認できるようになったことで、拠点の配車担当者が遅延に対応するための配車組みを事前に検討できる体制が整いました。
また、荷物単位での位置情報と配送実態を確認できるようになったことで、特定の荷物の配送状況がすぐに把握できるようになりました。Cariot導入前は特定の荷物の配送状況の問い合わせへの回答に半日以上かかっていたところ、導入後は数分で回答できるようになっています。

3-2.関係者へのスムーズな連絡を実現

関係各所との円滑なコミュニケーションという面でもCariotは成果を上げています。特に幹線輸送からエリア配送にバトンタッチする業務において、どの荷物がいつ到着するかは荷物の積み替え作業を円滑に行う上で非常に重要な情報です。
Cariot導入前は、各拠点担当者がドライバーと随時、連絡を入れることで輸送状況と到着時間を確認しており、拠点担当者とドライバー双方に負担がかかっていました。遅延が発生した場合は、拠点担当者は社内外からの到着時間の問い合わせにも対応しなければならず、連絡業務だけに追われてしまいます。

Cariotの導入によって、拠点担当者・荷主側担当者の双方がCariot上で車両や荷物の位置と到着時間を確認できるようになったことで、関係者間での電話連絡を大幅に削減することができました。
関係者が同じデータを確認しながらコミュニケーションが取れるようになったことで、同社では業務の効率化と顧客満足度の向上を実現しています。
 

4.今後の展望

4-1.生産性向上にむけた配送計画の予実分析

Cariotの導入によって輸配送状況の可視化と共有を実現したT社様は、今後はこれまで取得してきたデータを元に、更なる業務効率化とコスト削減に取り組もうとしています。
同社は配送計画の予実分析から余力のあるルートを洗い出し、より輸送効率の高いルート設計のシミュレーションに着手しました。昨今のドライバー不足に対応するために、限られたリソースでより効率的な配送を実現できる体制の強化にCariotを活用していく計画です。

4-2.Cariot活用による配車計画の最適化

Cariotはリアルタイム位置情報の取得に加えて、訪問先での滞在時間や業務実態を把握する機能も備えています。配送先での業務実態や輸送状況を把握することで、輸送件数を最大化し売上UPを実現した取り組みを以下の事例で紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

【原料輸送サービス活用事例】年間売上650万円増を実現した配車計画最適化
https://www.cariot.jp/blog/2021/02/17/minicase_part12/
 
 
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