社用車の運転日報を効率化!手間なく正確に記録する方法

運転業務の日報自動化
運転日報はお客さまからのお問い合わせが多く、関心の高い分野です。
義務づける2つの法律と対象の事業者、運転日報の構成要素と求められること、具体的な書き方、Cariotを活用したデジタル化など運転日報の導入について解説いたします。

こんにちは。Cariot(キャリオット)ブログ編集部です。
運転日報の作成・管理は、法律で義務付けられている重要な業務です。
この記事では運転日報に関する法規制や、運転日報の作成方法についてご紹介します。
運転日報作成業務の参考にしていただければ幸いです。
1.運転日報の作成義務がある企業
運転日報の作成義務がある企業は、主に社用車を利用して業務を行う事業者です。
具体的には、貨物自動車運送事業者や旅客自動車運送事業者が該当します。
これらの事業者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則や旅客自動車運送事業運輸規則に基づき、運転日報を作成することが義務付けられています。
また、道路交通法施行規則では、一定台数以上の車両を保有する企業に対しても運転日報の作成が求められています。
運転日報は、車両の運転状況や運転者の勤務状況を把握するために重要な役割を果たします。安全運転の促進や事故防止に繋がるため、企業は適切な記録管理を行う必要があります。
2.運転日報の必要項目
運転日報は、主に3つの法律によって定められています。
貨物自動車運送事業輸送安全規則、旅客自動車運送事業運輸規則、そして道路交通法施行規則です。
これらの規則は、運転日報の作成・保存・管理方法を詳細に規定しており、違反した場合には罰則が科されることもあります。特に、貨物自動車運送事業者や旅客自動車運送事業者は、運転日報の作成が義務付けられています。
また、道路交通法施行規則では、一定台数以上の車両を保有する企業に対しても同様の義務が課されています。
これらの法規制は、安全運転の促進や事故防止を目的としており、企業は遵守する必要があります。
貨物自動車運送事業輸送安全規則
貨物自動車運送事業輸送安全規則は、貨物自動車運送事業者に対して運転日報の作成を義務付けています。
この規則では、運転日報の記載項目や保存期間が詳細に定められています。
具体的には、以下のとおりです。
- 運転者の氏名
- 使用した車両情報
- 運行の開始及び終了の場所、日時、走行距離
- 上記の主な経過地点
- 業務を交代した場合はその場所、日時
- 休憩、睡眠を行った場所、日時
- 貨物の積載状況(車両総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の場合)
- 集貨、配達、待機を行った場所、日時。その地点への到着、出発日時
- 荷役を行った場所、日時、内容
また、運転日報は最低1年間保存することが求められています。
これらの規定は、貨物の安全な輸送を確保するために設けられており、企業は遵守する必要があります。違反した場合には、罰則が科されることもあるため、注意が必要です。
旅客自動車運送事業運輸規則
旅客自動車運送事業運輸規則は、旅客自動車運送事業者に対して運転日報の作成を義務付けています。
この規則では、運転日報の記載項目や保存期間が詳細に定められています。
具体的には、運転者の氏名、運転開始・終了時刻、走行距離、乗客数などが記載されます。また、運転日報は最低1年間保存することが求められています。
これらの規定は、旅客の安全な輸送を確保するために設けられており、企業は遵守する必要があります。違反した場合には、罰則が科されることもあるため、注意が必要です。
道路交通法施行規則
道路交通法施行規則は、一定台数以上の車両を保有する企業に対して運転日報の作成を義務付けています。
この規則では、運転日報の記載項目や保存期間が詳細に定められています。
具体的には、運転者の氏名、運転開始・終了時刻、走行距離、その他運転の状況を把握するための情報などが記載されます。また、運転日報は最低1年間保存することが求められています。
これらの規定は、安全運転の促進や事故防止を目的としており、企業は遵守する必要があります。違反した場合には、罰則が科されることもあるため、注意が必要です。
参照:道路交通法施行規則 第九条の十の八(安全運転管理者の業務)
また、これ以外にも労働基準法の第百九条において、賃金その他労働関係に関する重要な書類は5年間保存しなければならないと記載されていることにも注意しましょう。
なぜ運転日報が義務付けられているのか?
運転日報が義務付けられている理由は、主に安全運転の促進と事故防止にあります。運転日報を作成することで、運転者の勤務状況や車両の使用状況を把握することができます。これにより、過労運転や無理なスケジュールを防ぎ、安全な運転環境を整えることが可能です。
また、事故が発生した場合には、運転日報が原因究明の重要な資料となります。
さらに、運転日報を分析することで、運転者の運転技術の向上や車両の効率的な使用に繋がります。
これらの理由から、運転日報の作成は法律で義務付けられています。
運転日報の作成義務がない場合
いわゆる白ナンバーの自動車を使用している場合、運転日報の作成義務がないこともあります。
次の項目は安全運転管理者を選任する義務のある対象企業の条件ですが、これに当てはまらない場合です。
- 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上保有
- その他の自動車5台以上保有
ただし、この場合でも、安全運転の促進や事故防止の観点から、自主的に運転日報を作成することが推奨されます。また、保険会社や取引先から運転日報の提出を求められることもあるため、適切な記録管理を行うことが重要です。
企業は、自社の状況に応じて、運転日報の作成・管理方法を検討する必要があるのです。
3.運転日報の管理方法
運転日報の管理方法は、法律によって詳細に定められています。
以下では、管理方法と保存期間について解説します。
管理方法
運転日報の管理方法は、主に紙媒体と電子媒体の2つに分けられます。現時点で、紙媒体でなければいけない、などの規則はありません。
紙媒体での管理は、手書きの運転日報をファイルに綴じて保管する方法です。年々保管する場所を増やす必要があり、また、特定のものを探すには手間がかかるので、あまり推奨されません。
一方、電子媒体での管理は、専用のソフトウェアやアプリを使用してデジタルデータとして保管する方法です。電子媒体での管理は、記録の正確性や検索性が高く、業務の効率化に繋がります。また、データ分析にも活用できるため、企業は自社の状況に応じて適切な管理方法を選択する必要があります。
保存期間
貨物自動車運送事業輸送安全規則、旅客自動車運送事業運輸規則、道路交通法施行規則では、いずれも1年間の保存が義務付けられています。
ただし、企業によっては、保険会社や取引先からの要請に応じて、より長期間保存することもあります。
保存期間を守ることで、事故発生時の原因究明や証拠として活用することが可能です。
企業は、適切な保存期間を遵守し、適切な記録管理を行う必要があります。
また、前述したとおり、労働基準法の第百九条において、賃金その他労働関係に関する重要な書類は5年間保存しなければならないと記載されていることに注意しましょう。
4.運転日報の活用方法
運転日報は、単なる記録としてだけでなく、さまざまな活用方法があります。
一例として、エコドライブの推進、車両の異常を早期発見、勤務状況の改善について解説します。
エコドライブを推進
運転日報を活用することで、エコドライブの推進に繋げることができます。
具体的には、走行距離や燃料消費量を分析し、効率的な走行ルートを検討することが可能です。
また、運転者の運転技術を向上させることで、燃料費の削減や環境負荷の低減に貢献できます。
車両の異常を早期発見
運転日報を活用することで、車両の異常を早期発見することができます。
走行距離や運転状況を分析し、車両の故障や不具合を事前に把握することが可能です。
また、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、車両の寿命を延ばすことも可能になるかもしれません。
企業は、運転日報を活用して、車両の異常を早期発見し、適切な対応を行うことが重要です。
勤務状況の改善
運転日報を活用することで、運転者の勤務状況を改善することができます。
運転開始・終了時刻や休憩時間を分析し、長時間の運転や無理なスケジュールを防ぐことが可能です。
また、運転者の健康状態やストレスレベルを把握することで、適切な労働環境を整えることができます。
企業は、運転日報を活用して、運転者の勤務状況を改善し、安全な運転環境を整えましょう。
5.運転日報に不備があった場合
運転日報に不備がある場合、直接的な罰則はありません。
しかし、安全運転管理者(その業務には「運転日誌の備付け」があります)の選任義務を怠った場合には罰則があります。2022年10月1日にはこれが強化され、5万円以下の罰金であったものが50万円以下の罰金に引き上げられているので、今後も範囲を広げて強化されることがあり得ます。
直接的な罰則がないからといって疎かにせず、正確に作成しましょう。
6.適切な社用車の運転日報作成にはシステムの活用がおすすめ
正確で適切な運転日報の作成を実現するためには、システムを活用するのもおすすめです。
以下では、システム化のメリットについて解説します。
人為的なミスを減らし正確な記録ができる
運転日報のシステム化により、人為的なミスを減らすことができます。
手書きの運転日報では、記録漏れや誤記が発生しやすいですが、システムで自動化することで正確な記録が可能です。
業務の効率化でコストを削減
運転日報のシステム化により、業務の効率化が図れます。
手書きの運転日報では、記録や管理に多くの時間と労力がかかりますが、自動化することでこれらの作業を大幅に削減することができます。つまり、システム化による業務効率化が、コスト削減にもつながるのです。
また、データの検索や分析も容易になるシステムなら、経営判断の材料として活用することも可能です。
データ分析に活用し経営判断の材料にする
運転日報のシステム化により、データ分析が容易になります。
具体的には走行距離や燃料消費量、運転者の勤務状況などを分析し、経営判断の材料として活用することが可能です。
また、データを可視化することで、問題点や改善点を明確にすることができます。
安全運転を促進する
運転日報のシステム化により、安全運転を促進することができます。
システムには、運転者の運転状況をリアルタイムで監視し、危険な運転を未然に防ぐことが可能なものも多くあります。
また、運転者の運転技術を向上させるためのフィードバックを提供することもできるでしょう。
Cariot(キャリオット)なら運転日報作成の煩わしさを解消!
車両動態管理システムCariotを活用することで、運転日報の煩わしさを解消することができます。
Cariotは、運転日報の自動作成機能を備えたSaaS型クラウドサービスで、記録の正確性や検索性が高く、業務の効率化に繋がります。
また、レポート作成や分析機能にも長けているので、経営判断の材料としても有効です。
運転日報運行記録にかかわる業務の管理を効率化し、コスト削減を検討してみてはいかがでしょうか。
7.まとめ
運転日報の作成・管理は、法律で義務付けられている重要な業務です。
企業は、貨物自動車運送事業輸送安全規則、旅客自動車運送事業運輸規則、道路交通法施行規則に基づき、適切な記録管理を行う必要があります。
また、運転日報を活用することで、エコドライブの推進、車両の異常を早期発見、勤務状況の改善など、さまざまなメリットを得ることができます。
さらに、運転日報の作成をシステム化することで、業務効率向上やコスト削減を実現することも可能です。適切な運転日報の作成・管理を行い、安全運転の促進と事故防止に取り組んで行きましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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